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2015.10.29
乾燥する季節となりましたが、室内においても乾燥に強いカビが成育している場合があります。
カビというと湿度の高い浴室や水回りに発生しやすい印象もあるかと思いますが、好乾菌(乾燥カビ)の中には、湿度が65%ほどでも生育するカビもあります。
室内全体で65%の湿度は高い数値ですが、カビにとっては室内全体が65%である必要はなく、ほこりの表面など、表面部分の湿度が65%程であれば好乾菌(乾燥カビ)の発生する条件になります。食品でもアスペルギルス・レストリクタスは、米など乾燥した食品を好んで発生するカビもあります。
空気の流れの少ない環境では、水分を含んだほこりは床に溜まりやすく、溜まったほこりには好乾菌(乾燥カビ)が発生しやすくなります。
そのため好乾菌(乾燥カビ)は、ほこりが溜まりやすい部屋の隅、ソファの奥、エアコンの中、掃除機の中などに見られます。
冬の時期には換気をする機会が少なくなったり、結露なども影響し、冬の室内はカビが発生しにくい環境とは言えない面があります。
カビは大気中にも浮遊していますが、吸引する機会の多いカビにはどんなものがあるのでしょうか?
・外気
アルテルナリア、クラドスポリウム、ペニシリウム、アスペルギルスなど
・和室
クラドスポリウム、アルテルナリア、エピコッカム、ペニシリウム、フザリウム、フォーマ、アスペルギルス、クリソスポリウムなど
・リビング
クラドスポリウム、ペニシリウム、アルテルナリア、マイセリア、アースリニウム、フザリウム、アスペルギルス、フォーマ、エピコッカムなど
・地下鉄
アスペルギルス、ペニシリウム、クラドスポリウム、アルテルナリアなど
クラドスポリウムは黒カビで、湿度の高い浴室でも見られますが、乾燥にも強く室内でもよく検出され、洗う頻度が少なく結露を吸収しやすいカーテンに発生し、知らずの内に室内にカビ胞子を拡散させている可能性もあります。カビ発生したカーテンは洗濯では容易に落ちないため、買い替えるのが良いでしょう。
参照:Concentration and distribution characteristics of airborne fungi in indoor and outdoor air of Tehran subway stations
医療機関によっても異なりますが、血液でのアレルギー検査(IgE-RAST)が可能なカビ(真菌)・細菌は、以下になり、これらはアレルギー症状を誘発する可能性のある原因物質となることもあります。
アルテルナリア、アスペルギルス、クラドスポリウム、ペニシリウム、カンジダ、ムコール、トリコフィトン、ピティロスポリウム、ヘルミントスポリウム、マラセチア属、黄色ブドウ球菌A、B(細菌)
アルテルナリア、アスペルギルス、クラドスポリウム、ペニシリウムは室内でも検出されやすいカビでもありますので、定期的な換気や空気の流れをつくり、ほこりが溜まらないうちの掃除を心がけましょう。
●喘息症状との関連
胞子を吸引することで咳、喘息症状を引き起こす代表的なカビとして以下等が挙げられます。
・アルテルナリア:上記にありますように室内に浮遊するカビの1つであり、柑橘類、りんご、生麺などの水分の多い食品にも発生する、灰、黒色のやや綿毛状のカビになります。
鼻炎症状との関連より喘息症状との関連が高く、イギリスでは喘息死患者の60%以上がアルテルナリアに感作されていた、との報告もあります。
・アスペルギルス:室内に浮遊するカビの1つで、ほこりなどにも発生し、肺炎、気管支炎をもたらすアスペルギルス症の原因になりますが、アスペルギルス症とは別に、アスペルギルスがアレルゲンとなり、咳、喘息を伴うアレルギー性気管支肺アスペルギルス症を誘発する場合があります。
他にペニシリウム、カンジダ、カーブラリア、ヘルミントスポリウムも咳、喘息を誘発する原因となる場合があると言われています。
・ムコール(ケカビ):長期間低温に保存した食品、生鮮野菜や果実、パンなどでん粉質の食品にはえるよく見られる白い綿毛様の毛のあるカビで、咳、喘息症状などをもたらし肺ムコール症、ほか鼻、副鼻腔、眼、脳などに症状を引き起こす場合があります。食品にはえるカビを吸引してしまった場合でも、低栄養状態であったり免疫機能低下時に発症、悪化することがあります。
●皮膚症状との関連
マラセチア:脂の多い部位に存在する皮膚常在菌でもあり、癜風、マラセチア毛包炎の原因菌、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎との関係が示唆されています。
マラセチアの一種であるマラセチア・グロボーザ、マラセチア・レストリクタ等が皮膚に常在すると脂肪を分解するリパーゼを産生し、その分解物である脂肪酸が刺激となり皮膚炎を誘発し、さらに遅発型でも反応が起こると考えられており、脂漏性皮膚炎の原因となることがあります。
また脂漏性皮膚炎を引き起こすマラセチアと同じ種類でもある、マラセチア・グロボーザが分泌するタンパク質MGL-1304が、汗に溶けて皮膚に入ると、アレルギー反応を引き起こしアトピー性皮膚炎の原因となるとの意見もあります。
そしてアトピー性皮膚炎の患者さんに常在するマラセチア・レストリクタは、皮膚炎の無い方と比較すると遺伝型が異なる可能性があり、マラセチア・レストリクタ由来の抗原がアトピー性皮膚炎患者さんのIgE抗体抗原になっている可能性があるとの示唆があります。
ペットのいるご家庭では、以下カビとの接触により、症状が誘発される場合もあります。栄養状態、健康状態、免疫機能が正常な状態では過剰な心配の必要はありませんが、ヒトから動物に感染させてしまうこともありますので、ご留意ください。
・動物と接触してヒトの皮膚に症状を誘発する(皮膚糸状菌症)
人獣共通感染症の原因菌としてミクロスポラム・カニス、ギプセウム、トリコファイトン・メンタグロファイテス(水虫の原因菌)、ベルコーサム、ルブルムなどがあり、動物からヒトに感染し皮膚症状を誘発することがあり、また水虫の方が動物に感染させてしまうこともあります。
・動物と接触してヒトに症状を誘発する(アルスログラフィス症)
アルスログラフィス・カルラエが原因となり、猫から感染し、深在性皮膚炎、リンパ管炎、肺炎、副鼻腔炎、髄膜脳炎など重症感染する場合があります。
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