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アレルゲンの意図しない混入と残留状況

2016.06.12

投稿者
クミタス

小麦粉にピーナッツが混入


2016年6月3日付けでピーナッツの表示漏れで商品回収となったクッキーにおいて、ピーナッツが混入した小麦粉を使用してつくられたことが原因だったのではと考えられています。
当該商品回収情報
Hostess Brandsのケーキ、ドーナツ商品
https://www.kumitasu.com/contents/kaisyu/1469

ピーナッツアレルギーの子供を含む2例でピーナッツアレルギーの症状が出現しており、この混入が原因である可能性が示唆されています。
参考:FDA Investigates Low Levels of Peanut Residue Found in Limited Flour and Flour Products

調理場における残留状況


さて意図しない混入としては、調理場での混入も挙げられますが、調理場におけるアレルゲンの残留実験に関する報告があります。

平成24年度に東京都内の多摩立川保健所管内の保育園11園において、一日の調理作業が終了し、全ての洗浄が終了した後に、食器具等8か所(アレルギー対応食用食器、一般食器、作業台、スプーン、レードル、冷蔵庫取手、シンク蛇口取手、児童食事机)の表面に残ったアレルゲン(卵、乳、小麦)と12か所(上記8か所に加えて消毒液ポンプ、ゴム前掛け、調味料取手、包丁取手)のたんぱく質の残留状況をふき取り検査にて確認をしたところ、
11園中9園において、卵、乳、小麦のいずれかが検出され、
作業台、スプーン、冷蔵庫取手、シンク蛇口取手、児童食事机から卵、乳、小麦のいずれかが検出されており、
特に乳アレルゲンの残存が多く確認された、
また、11園中11園にて調理室内の上記12か所のうち、スプーンを除く11か所から何らかのたんぱく質の残留を確認し、児童食事机、作業台、シンク蛇口取手、冷蔵庫取手に多く見られたと報告しています。

洗浄によるアレルゲンの残留状況


乳成分が付着したボウルを弱アルカリ性洗剤にて洗浄を行った場合は、乳タンパク質が不検出となったが、水拭き、水洗い及び中性洗剤による洗浄では、傷の無いボウルにおいても乳タンパク質が検出された、と報告しています。
卵、乳、小麦の除去対応をしているアレルギー児の食器からは、卵、乳、小麦は検出されていないものの、調理器具には残留している可能性もあるため、微量に反応する方のためには、洗浄時に弱アルカリ性洗剤を使用するなどの対応、もしくは調理器具を別にするのが望ましいとも言えます。

そして作業台、冷蔵庫取っ手から卵、乳、小麦は検出されているため、手指からの混入には配慮が求められるところでもあります。
また児童の机から乳、小麦が検出されおり、机には除去対応児以外も接触するため、示唆にもありますが除去対応をされている方で微量に反応する方においては、食事時には机の上にクロスをかけるなどの配慮もできると尚望ましいでしょう。

出典:食物アレルギー防止対策の推進について
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/contami/kyokugakkai.pdf

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