Author クミタスさん
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2016.09.28
マリンスポーツの大会において、用意されたTシャツを着用した方が、皮膚に炎症を起こした事例では、原因物質としてTシャツの顔料に使用された前処理剤、塩化ジデシルジメチルアンモニウムであると当大会運営側にて発表されています。
塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)は消毒剤としても使用されており、逆性せっけんの主成分でもあります。
浸水対策時にも配布、使用されるものでもあり、畜産厩舎の消毒、殺菌での用途があります。
塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどと同じく第4級アンモニウム塩であり、局所作用においては、濃度が高くなると健康被害リスクが高くなると言われています。
高濃度のDDACに暴露した場合の人体における影響可能性(一例)
・眼に暴露
眼痛、結膜炎、角膜混濁、虹彩炎など
・皮膚に付着
刺激・灼熱感、発疹、かゆみ、水ぶくれ
・吸引した場合の呼吸器
口腔、喉、鼻への刺激・灼熱感、咳、息切れ
・経口摂取した場合の消化器
食道の炎症、粘膜刺激作用による嘔吐、下痢、腸管浮腫、消化管出血、麻痺性イレウスなど
静脈注射(点滴含む)などで高濃度に摂取すると、全身浮腫、肺水腫、心機能低下、全末梢血管抵抗の減弱、中枢神経障害などをおこす可能性があります。
DDACは乳牛の乳房・乳頭や器具の消毒剤としても使用され、今までに牛乳に基準値を超える塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)が検出され廃棄となった事例もあります。
使用上の基準値が設けられており、欧州食品安全機関(EFSA)では塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)および塩化ベンザルコニウム(BAC)の暫定最大残留基準値(MRL)を設けています。
高値に超過量のDDACが含まれる場合は、下痢などを含めた消化器症状出現など健康被害をもたらす可能性がありますが、静注による毒性のほうが、経口摂取時よりはるかに高いともみられています。
塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)には、エタノール臭がありますが、もし衣類から臭いがある場合は洗浄をおこなうことが望ましいでしょう。
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