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皮膚に貼るパッチ剤での免疫療法とTレグ(制御性T細胞)活性化

2016.10.19

投稿者
クミタス


皮膚から吸収することで免疫療法をおこなうことを目的としたパッチ剤の試験がアメリカ、カナダなどでおこなわれています。

Viaskin® Milkを皮膚に貼ることで、皮膚から継続的にアレルゲンを吸収し、皮膚の免疫細胞であるランゲルハンス細胞を介してアレルゲンをリンパ節に送り、Tレグ(制御性T細胞)を活性化させます。
Th1に変化を起こすことなく、Th2を下方制御する主要な因子を活性化することで、IgE反応を停滞させる可能性があり、免疫応答を制御しアレルゲンへの長期的な寛容を促進することを狙うものになります。

Viaskin® Milkにて、乳タンパク質にアレルギー症状のある方、4歳~17歳の好酸球性食道炎の症状のある方を対象に、それぞれ安全性、有効性の評価が進められ、2016年9月にアメリカFDAより優先的に審査する対象となるファストトラック指定を受けています。

血中内にアレルゲンが取り込まれることのないよう傷の無い皮膚に貼る必要はありますが、皮膚に貼るパッチ剤は侵襲性が低く体への負担が少なく簡便である点においても魅力があります。
安全で、かつ複雑に制御される免疫応答反応において有効なものとして使用できるとなれば、乳タンパク質に嘔吐、腹痛、逆流、嚥下障害、発赤、膨疹などの症状のある方にとって免疫寛容を促し、乳製品を食べられるようになり(または食べられる量が増え)、アレルギー症状の進展を防ぐ可能性があります。

また同様に、卵タンパク質、ピーナッツタンパク質のパッチ剤も開発されており、ピーナッツタンパク質のパッチ剤Viaskin® Peanutの試験もおこなわれています。
経皮免疫療法においては、副反応の発生が低い可能性がある点は利点でもあります。副反応程度以外に経口免疫療法と比較して有効性がどうなのか、有効な対象属性、価格も併せた判断にもなるかと思われますが、これらが日本でも将来使用できるようになれば、選択肢が増えることになるでしょう。

DBV Technologies(フランス) Viaskin® Milk
https://www.dbv-technologies.com/en/viaskin-products/viaskin-milk

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