Author クミタスさん
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2016.11.30
食品の誤表示においては、食品表示ラベルの貼り間違い、記載事項に誤りや不足事項がある、意図せぬ混入が判明したことによる表示漏れ等が挙げられ、意図せぬ混入が起こる場合、原料に混入している場合、製造段階での混入、製造工場内の洗浄不足での残留による混入などのケースがあります。
また、コンタミネーション表示には表示がなされているものの、最終製品中に一定量以上含有されているため、原材料表示欄内に表記されることが望ましい商品である場合もあります。
実際にどのくらいの食品から、食品に表示されていないアレルゲン物質が検出されるかを調査したカナダでのレポートでは
包装済みのクッキー595品を対象に、表示対象のアレルギー物質とグルテンの含有状況を分析したところ、22品(3.7%)において、特に
大豆、卵、乳(β-ラクトグロブリン、カゼイン)、ピーナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ごま、グルテン
の中で、1つ以上が非表示でありながら含有検査で陽性であった
と記しています。
また、海外で販売されている食品においては、コンタミネーション表記において、"may contain(含まれているかもしれない)" や "manufactured on shared equipment" といった表記がなされていますが、
アメリカとカナダの食物アレルギー児の家族ら5,634人(84.3%)と、食物アレルギーのある本人1,497人(22.4%)の計6,684人(そのうち71%の児や本人が重度のアレルギー反応を経験)を対象に、食品の購入習慣を調査したところ、
11%の方で、児や自身のアレルゲンが"may contain(含まれているかもしれない)"の対象として表記されている食品を購入しており、
16.7%の方で、児や自身のアレルゲンが“manufactured in a facility that also processes allergen” の対象として表記されている食品を購入しており、
40%の方においては、児や自身のアレルゲンが"manufactured on shared equipment"の対象として表記されている食品を購入していた、
との報告があります(Food Allergen Labeling and Purchasing Habits in the US and Canad 2016)
食物アレルギー児の家族らと、食物アレルギー患者本人において、may containと、manufactured on shared equipmentでは捉え方が異なっている方が見られると言えますが、37%の方で含有量の違いから上記3つの表現の違いがあると捉えていた、と示しています。
表示において含有表現にはわかりやすさ、明確さは必要であり、均一な対応が求められます。
国内外においてアレルゲン誤表示の発生はありますが、グルテンフリー等と表示していたものの最終製品中に20ppm以上含有されていたことが判明し回収となったイギリス等での事案等もあります。
微量に反応する方にとっては、同じ工場内でアレルゲンを含む食品を製造し、原材料にアレルゲンを使用していない商品について、最終製品中にどの程度含有しているかがわかることは商品選択時に必要となる情報でもあり、実際には原材料での表記が必要なレベルの含有量である場合もあります。
コンタミネーション表記においては、日本においても表示されている商品、されていない商品など差がないような対応が望ましく、コンタミネーションにおける表示や対応の充実が望まれます。
出典:2013-2014 Undeclared Allergens and Gluten in Cookies
https://www.inspection.gc.ca/food/chemical-residues-microbiology/food-safety-testing-reports/2016-11-10/undeclared-allergens-and-gluten-in-cookies/eng/1478622088371/1478622557427
Food Allergen Labeling and Purchasing Habits in the US and Canada 2016
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