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衣類などにダニが付着することでの経口摂取可能性

2018.10.18

投稿者
クミタス

ダニは暗いところを好み、じゅうたん、畳、寝具、衣類等に潜って産卵する傾向があります。衣類にはダニの死がい、唾液や排出物などが付着することがあり、繊維によっては長く付着した状態であることもあります。

ダニアレルゲンタンパク質であるDer p 1が母乳中に含まれていたとする報告もあり、喘息またはアレルギーの既往のある母親の母乳からより高くDer p 1が検出され、34歳以下の母親のほうが高値であった、との内容の報告等もあります。

ダニアレルゲンタンパク質は30種超が確認されていますが、ダニの糞由来のタンパク質であるDer p 1、Der f 1(2つをまとめてDer 1)、虫体由来のアレルゲンのDer p 2、Der f 2(2つをまとめてDer 2)が主要アレルゲンで、ダニの種類別に、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)の主要アレルゲンはDer p 1、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)の主要アレルゲンはDer f 1  と考えられています。ヤケヒョウヒダニのDer p 1に感作すると、コナヒョウヒダニのDer f 1  にも反応すると見られています。

搾乳時や採取時に衣類、寝具経由でダニ抗原が母乳に混入した可能性も考えられるところであり、その場合、ダニ抗原を経口摂取する機会の1つとなっている場合がある可能性もあり得ます。
春~夏の間に繁殖したダニの清掃を心がけたいところですが、他の調査での検出状況、検出されることになった経路や、早期の経口摂取、感作が発症リスクを高めることになるのかも含め、今後もお送りしていきたいと思います。


出典・参考:Early oral exposure to house dust mite allergen through breast milk: A potential risk factor for allergic sensitization and respiratory allergies in children
Early Exposure to Respiratory Allergens by Placental Transfer and Breastfeeding

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