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2017.05.22
生の全卵を卵白と卵黄とに分けた場合に、卵黄にどの程度卵白が残留しているのでしょうか? また卵白にアレルギー症状のある方においてどの程度症状誘発可能性があるのでしょうか?
生の全卵を手を使って卵白と卵黄とに分け、卵黄表面の卵白と卵黄膜の重量を測定したところ、合計量は約0.7g (0.6~1.0g)であった。
また、2014年6月~2015年2月に施行した加熱卵白の経口負荷試験陽性者から、加熱卵白1.0gが摂取可能と判定された11人を対象として、加熱卵黄の経口負荷試験を施行したところ、9例は陰性、1例は局所の紅斑、1例は複数範囲の紅斑を認め、加熱卵白1.0gの摂取が可能な卵アレルギー患者において、生の状態で取り分けた加熱卵黄負荷試験で8割以上が陰性、2割近くは陽性であった、ことを報告しています。
取り分け時の卵黄への卵白の残留程度はできるだけ少なく留めたいところですが、加熱卵白1.0gが摂取可能である場合、家庭で卵白と卵黄とを手を使って分けて卵黄を加熱調理し摂食して、8割の方で症状出現しない可能性を示唆する内容でもあります。今後ほかの試験結果などもご紹介したいと思います。
参考情報:
卵黄への卵白のタンパク質移行については、12分間加熱した固ゆで全卵をそのまま放置した際に、卵黄部分に含まれるオボアルブミン、オボムコイド量として以下調査結果などもあります。
卵黄1gあたりに含まれる抗原量
卵黄と卵白の分離までの時間 オボアルブミン オボムコイド
直後 <0.4μg 11μg
1時間 1.3μg 380μg
3時間 1.5μg 1.6mg
24時間 1.9μg 2.8mg
卵ボーロに使用される卵の量、タンパク質含有量は?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1844
出典・参考:ゆで卵白1.0gの摂取が可能な鶏卵アレルギー児に対する生の状態で取り分け加熱した卵黄1個の経口負荷試( あいち小児保健医療総合センターアレルギー科、名古屋大学医学部医学系研究科小児科学、愛知医科大学病院小児科、名古屋学芸大学管理栄養学部、かんどこどものアレルギークリニック) ほか
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