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手湿疹と食物アレルギー発症

2017.06.22

投稿者
クミタス

魚を手で触る機会の多い調理師等において、経皮感作により魚アレルギーを発症した例の報告が今までにもなされていますが、手湿疹のある調理従事者における食物アレルギー発症との関連が伺える報告があります。

職業としての調理従事者1,592人と非職業での調理従事者(主婦など)1,915人を対象に、手湿疹の有無、重症度と食物アレルギーの有無、症状、原因食物を調査したところ、職業での調理従事者において手湿疹が重症な方ほど食物アレルギーの有病率が高く、重症手湿疹のある方の32%において食物アレルギーを有しており、原因食物としては甲殻類、魚類、鶏卵が挙げられると報告しています。

職業としての調理従事者においては、同じ食物に日常的に接触し、また接触する量が一定量以上となる機会も少なくありませんが、甲殻類、魚類などを素手で下準備・下処理する場合などに皮膚に(細かい)傷が付くこともあります。
手湿疹のある皮膚や傷から食物成分を吸収し経皮感作リスクが高まり、また手湿疹が悪化しさらに食物成分を吸収し食物アレルギーの症状悪化の悪循環となる場合もあります。

職業性の経皮感作による食物アレルギーにおいては、ビール(麦芽)、和菓子での使用頻度の高い白あんの主原料である白いんげん等での例が見られています。

繰り返し接触する食物に接触して手に少し痒みを自覚するようになったり、手指に傷がある場合などは、ケアおよび手袋装着での対応等は望ましく、また、経皮感作により複数の食物が抗原となる方もいらっしゃいますので、皮膚バリア機能が低下しやすく、湿疹を生じやすい方においては、繰り返し接触する食物がある場合、予防的に手袋の装着をおこなえるのが望ましいでしょう。


出典・参考:調理従事者における手湿疹と食物アレルギーリスクの疫学的な関係

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