食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食物としては、小麦が最も多く62%ほど、次いで甲殻類で約28%を占め、そば、魚、果物、牛乳なども原因食物に挙げられますが(※1)、ほかにも食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因となることのある食物もあります。
・ごま
11歳時にスギ花粉症を発症、食物アレルギー歴はなかった15歳男児の14歳時にごまを含む給食摂食後の野外での部活中に嘔吐、鼻閉、口唇眼周囲膨脹を自覚することがあり、負荷試験実施時には、ごま摂食のみで症状出現はしなかったが、摂食後の運動開始10分後から軽微な紅斑が、またアスピリン、ごま接触、運動の順での負荷時には呼吸困難、顔面紅斑膨脹が見られた。
・タコ
数年前からカニ、エビ摂食後に蕁麻疹が出現するようになった25歳女性にて、タコの酢の物を含む夕食摂食後にランニングを開始したところ、10分後に口腔内の痒み、全身に蕁麻疹、呼吸困難、嘔吐、下痢が出現。その後の検査で、特異的IgEはタコ、エビ、カニでクラス0、プリックテストではタコ、芝エビ(加熱)、ブラックタイガー(加熱)は陽性、カニ(ボイル)は陰性、タコを抗原とした好塩基球活性化試験は陽性で、負荷試験実施時にはタコ30g、50gの摂食のみでは症状出現はしていないが、タコ50g摂食30分後の歩行により上口唇に違和感、膨張が見られた。
上記はあくまで1例の食物になり、野菜、きのこでの食物依存性運動誘発アナフィラキシーの報告もありますが、それまでにアレルギー症状の自覚のない食物の摂食および運動後に症状が出現するようになった場合、また摂食、アスピリン、ロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用および運動後に症状が出現するようになった場合は、食物依存性運動誘発アナフィラキシーである場合もあります。
発症時の運動においても17%ほどは「歩行」が占めており(※1)、激しい運動により症状出現するとは限らないことを踏まえつつ、摂食した食物を振り返られるようにし、受診のうえ負荷試験にて食物依存性運動誘発アナフィラキシーかどうか診断されるのが望ましいでしょう。
出典・参考:※1 食物アレルギー診療ガイドライン 2016
ゴマによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こした一例
タコによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの一例
ゆかりR (26g)
1.9kcal/1gあたり
8224
Koheih
アミノ酸が入ってなければ…