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就学前児童のアレルギーの状況~東京都の例(後編)

2017.08.09

投稿者
クミタス

【2017.8.8更新】就学前児童のアレルギーの状況~東京都の例(前編)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2187
にて、主に各保育施設におけるアレルギー対応方針・状況についてお送りしましたが、対応における課題、アレルギー症状出現時の状況等についてお送りします。

食物アレルギーの症状発生状況~児の年齢により発生が多く見られる初発でのアレルギー


施設内での食物アレルギー症状の発症を経験している施設は19.0%であり、食物アレルギー症状の発生のあった園児・児童がいた1,014施設において、
給食提供は88.2% (894施設)、給食以外の食物提供は 8.2%(83施設)、提供していない施設は 3.4%(34施設)と、給食を含む食物提供施設での発生(他の児の食べこぼしや、吐いた物等に触れた等も含む)が多い状況となっていますが、
発生原因は初発64.9% (658施設)、誤食34.1%(346施設) と、誤食よりも、症状が出る前に原因食物と診断されておらず、初めて症状を経験した初発での症状出現の割合が高くなっています。

施設別では、小学1年生~3年生の割合が多い学童保育、4~5歳児の割合が多い認定こども園では誤食の方が多くなっていますが、1~3歳児の割合も多い認可保育所、1~2歳児の割合が多い認証保育所やベビーホテル、0~1歳児の割合の多い家庭的保育では初発の食物アレルギーが多くなっています。
施設での提供食物に関して、摂食して何らかの異変があった食物についても施設側と連絡確認を進めながら、保育施設で摂食・接触する前に、家庭での摂食を進められるようにすることが望ましいでしょう。

アレルギー症状出現時の対応


アレルギー症状が出現した児に対し、アレルギー症状が重症であるほど、「緊急時を想定したシミュレーション、訓練の実施」をおこなっていたことが役立っていると回答しており、あまり対応ができなかったと回答した施設ではその理由として、「緊急時を想定したシミュレーション、訓練の実施」の不足以外で「マニュアルやガイドライン等の資料が揃っていなかった」、「所・園内でのアレルギー対策に関する話し合いの機会がなかった」、「研修や講演会に参加する機会がなかった」 、「施設と保護者との連携・情報不足」を挙げています。施設と協力をしながら、対応をしていきたいですね。


出典・参考:アレルギー疾患に関する施設調査(平成26年度)報告書 
https://www.tokyo-eiken.go.jp/files/kj_kankyo/allergy/c_naiyou/shisetu.pdf

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