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読み物
2021.07.16
カビと同じく真菌に属するマラセチアは皮膚常在菌であり、増殖する際に脂質を必要とします。マラセチアは脂漏性皮膚炎の病態に関与する因子の1つとなっている可能性が考えられており、マラセチアのアレルゲンの1つである「Mala S11、Mala S13はヒトに存在する酵素と抗原交差性があり、アトピー性皮膚炎の増悪に関わっている」可能性が考えられています。
湿疹のある生後4か月の男児において、血液検査で好酸球増多(4875/μL)、TARC5532pg/mL、IgE419IU/mL、卵白、小麦、マラセチアに対する特異的IgE抗体が陽性であった。ステロイド外用薬で湿疹は軽快したが、小麦、卵摂取で即時型症状が見られ除去していた。年齢とともに好酸球数値、TARC値は正常化したが、卵白、小麦、マラセチアに対する特異的IgE抗体は上昇し、卵白、オボムコイド、小麦に対する特異的IgE抗体値は高値であった。なお、1歳6か月時に実施した小麦の経口負荷試験は陰性であった(出典・参照:清益功浩 毛利陽介 清水真理子 池田聡子 川口千晴 大和高田市立病院小児科 大阪府済生会中津病院 乳児期のマラセチアに感作されたアトピー性皮膚炎、食物アレルギーの1例)。
真菌のアレルゲンにおいては、共通構造が存在しており、複数の真菌に感作している場合もあります。上記はマラセチアに感作していた児においての食物アレルギーの発症一例でもありますが、ヒトにおける真菌のアレルゲンとの交差反応性、食物アレルギーとの関連について、今後もアップデートをしていきたいと思います。
マラセチア関連皮膚疾患について①
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