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呼吸器疾患とウイルス

2017.12.10

投稿者
クミタス

呼吸器疾患に関係するウイルスには以下等が挙げられ、中でもライノウイルスは風邪を引き起こす主なウイルスと考えられており、RSウイルスは乳幼児期の喘鳴、小児気管支喘息の発症に影響を与えるとの示唆が複数の研究で見られています。
RSウイルス
インフルエンザウイルス
パラインフルエンザウイルス(インフルエンザウイルス同様気道の炎症を起こしますが、インフルエンザウイルスとはまったく別のウイルスになります)
ライノウイルス
エンテロウイルス(風邪をひいた方にライノウイルスに次いで見られことの多いウイルスになります)
ヒト-メタニューモウイルス(小児の呼吸器感染症の5~10%を占めるとの示唆もあります)
アデノウイルス(1型から51型まで51の血清型があり、呼吸器感染症をひきおこす型もあります)
ヒト-ボカウイルス(ヒト-ボカウイルス1型感染症については、乳幼児期に感染することが多いと見られています)

小児喘息の増悪


2015年に喘息発作例に対して実施されたウイルス検索237例のうち、55例(23%)にEV-D68が検出され、エンテロウイルスD68型流行期での検出率は、喘息発作例125例中41例(33%)であったとの報告もあり(エンテロウイルスD68型流行期における小児気管支喘息発作例の全国調査より)、エンテロウイルスD68型は重症喘息発作の流行を惹起するウイルスであることの示唆もなされています。

また喘息患者さんにおいて、風邪をひくことは、気道炎症を増悪させ、呼吸器症状を長引かせる場合もあります。風邪の症状が長引く場合、気道上皮細胞の剥離、好酸球の増多などが影響していると考えられており、これらのコントロールをおこなうことで、重症化予防につながります。

2017年度のインフルエンザワクチン


生後6か月から接種可能なインフルエンザワクチンですが、乳幼児のインフエルエンザワクチンの有効性に関しては、20~60%の発病防止効果があったと報告されています。
2017(平成29)年度の日本のインフルエンザワクチンは、以下から1つずつ選んだ4価ワクチンとなっています。
・A(H1N1)pdm09型(2016年度版から変更)
・A香港型
・B型(山形系統)
・B型(ビクトリア系統)
日本でのインフルエンザは、例年12月~4月頃に流行し、1月末~3月上旬に流行のピークを迎えることから、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいため、接種を検討されている方は早めに受診しましょう。

出典・参考:厚生労働省 平成29年度インフルエンザQ&A

インフルエンザワクチン成分に対する反応可能性
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1898
インフルエンザ生ワクチンに含まれるオボアルブミン量、アレルギー反応程度は?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1083

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