経口免疫療法は、主に乳児期発症の食物アレルギーで自然寛解をしなかった児を対象に主におこなわれていますが、今回は、幼少期、または成人期に発症した成人の食物アレルギー患者さんに経口免疫療法を実施したケースをご紹介したいと思います。
病院1
26歳女性
アレルゲン:卵
幼少期に発症
食物経口負荷試験実施により陽性を確認し、オープン法にて閾値を決定して生卵白乾燥粉末を症状誘発閾値の1/10(3.0mg)より1.2倍ずつ増量し、5回/日で摂取し1gに達したところでスクランブルエッグ8gに変更し、その後は1.5倍ずつ増量。治療18日目に目標の鶏卵1個分(60g)に達した。
副反応として蕁麻疹や軽い呼吸困難などの誘発症状を2回認めたが、抗ヒスタミン薬を内服して症状は消失した。鶏卵摂取後の運動誘発試験は陰性、鶏卵入りの加工品を摂取しても誘発症状は認めなかった。
その後、1日に鶏卵1個を摂取する維持療法を継続し、2年の経過で誘発症状を認めていない。
病院2
18~30歳の7名(男性3名、女性4名)
アレルゲン:卵1名、牛乳3名、小麦1名、魚2名
成人期発症:3名、思春期発症:1名
食物経口負荷試験実施により陽性を確認し、卵、乳、小麦はダブルブラインド、魚はオープン法で、閾値、初回投与量を決定し、目標量は非加熱卵1個、牛乳200ml、小麦、魚は通常の摂取量とし1日2回の摂取で連日、摂取量を増量する急速経口免疫療法をおこなったところ、7例中6例で目標量に到達し、治療日数は平均26.9日、副反応のために増量の予定が遅延した日数は平均7.3日であった。
1例の目標量に到達しなかった例は、牛乳にアレルギー反応のある方で、患者さん自身が入院期間延長ができないことで40mlでの維持となっている。
副反応としては、口腔内違和感、蕁麻疹、咳、喘鳴、腹痛、下痢などがあり、重篤な症状は見られなかった。
微量摂取で食物アレルギーの症状が出現していた方、重症患者さん等においては、より少ない摂食量の設定、また脱感作、維持、耐性化までのプロセスにおいて年単位レベルで進めていく必要性の検討、また方法として経皮免疫療法での実施、オマリズマブとの併用なども選択肢として考えられますが、適した方法での実施である場合、小児期に耐性獲得できなかった成人に対しての急速経口免疫療法においても、治療選択肢として考慮され得る可能性があることがうかがえるところでもあります。また他例などもご紹介していきたいと思います。
出典・参考:急速経口免疫療法を施行した鶏卵アレルギーの成人例
成人の食物アレルギーに対する急速経口免疫療法
オマリズマブと経口免疫療法
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2458
キユーピーハーフ 400g
49kcal/大さじ約1杯(15g)当たり
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momo1210
小麦は確実に使われていな…