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エピペンを誤射した場合、どうなるか?

2017.12.24

投稿者
クミタス

エピペン投与においては「一般向けエピペン®の適応」にて、「エピペン®が処方されている患者でアナフィラキシーショックを疑う場合、下記の症状が一つでもあれば使用すべきである。」としており(出典:日本小児アレルギー学会)
判断に迷った場合は、基本的には投与することのリスクよりも投与しないことのリスクの方が上回ると考え、エピペン注射を実施するのが望ましいところでもあります。
もし平常時にエピペンを誤射した場合、どのような状態になるのでしょうか?

・50代女性がエピペン®0.3mgをトレーナーと間違えて自分の右大腿部に誤射し、7分後に収縮期/拡張期血圧は144/78mmHgと一過性の上昇を認めたが、動悸を訴えた以外、自覚症状は注射部位の局所の痛みのみであり、14分後には軽快した

・6歳男児がエピペン®を用いて遊び、右第二指に誤射し針が貫通し、貫通部位の発赤、腫脹を認めたが、保温のみで誤射80分後には軽減したため帰宅した

・4歳女児がエピペン®を用いて遊び、右大腿に誤射し、23分後に収縮期/拡張期血圧は123/70mmHgと一過性の上昇を認めたが軽快し、1時間後に帰宅した

上記3例では、アドレナリン自己注射薬の誤射による副反応は一過性のものとして、重篤な副反応は認められていなかったことが伺えられています。

アレルギー症状の既往の無い10歳男児においても、友人(8歳)のアレルギー児が携帯していたエピペン®を、右母指腹側中央に誤注射し、自力ではエピペン®が抜けずに自宅へ戻り、母親が抜いて誤注射から1時間後に受診したところ、受診時に頻脈や血圧上昇はなく、薬液の一部がエピペン®の針が刺さった部位近くの右背側指動脈に作用し血管収縮し、刺さった部位が虚血となり蒼白していた、との報告も見られます。

誤射による全身性の重篤な副反応ではなく、刺傷部位を中心とした反応がある場合もありますので、児による誤射を避けるためにも、児が遊びで手に取りやすい場所、状態での保管を避ける、デモ用と混同しないような対策は、おこなえるようにしておきたいですね。

出典・参照:アドレナリン自己注射薬を誤射した3例
エピペン®を右母指に誤注射した生来健康な10歳男児例

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