症状誘発の確率を示すプロパビリティカーブにおいては、ω-5グリアジン特異的IgE値がクラス3以上の場合、90%以上の確率で小麦アレルギーの症状誘発可能性があると見られています(小麦アレルギー患者の20%ではω-5グリアジン特異的IgEに陰性を示す可能性もあります)。
小麦アレルギー児における大麦加工食品への反応状況例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1873
においても掲載をしておりますが、大麦加工食品でも、麦茶など反応を示す可能性がより低い食品もありますが、小麦にアレルギーがある方においても、大麦にアレルギー反応を示さない方もいらっしゃいます。
大麦にアレルギー反応を示す可能性のある方の属性とはどのようなものなのでしょうか?
小児での例ですが、大麦の摂取歴がなく、小麦摂取後のアナフィラキシーの既往のある児、または小麦での経口負荷試験にて小麦アレルギーと診断された児に対して、大麦での経口負荷試験を27人 (3~15歳, 男児19人、女児8人)におこなったところ、13人 (48%) で陽性であった。
そのうち小麦の摂取閾値と検査値の判明している23例では、ω-5グリアジン、小麦特異的IgE抗体価、小麦での経口負荷試験におけるTS/Pro (アナフィラキシースコアリングあいちスコア/累積負荷蛋白量) が、大麦での経口負荷試験陽性群で有意に高値であり、小麦アレルギーが重症 (=TS/Pro高値) の場合は、大麦を摂取して症状が誘発される可能性が高く、ω-5グリアジン、小麦特異的IgE抗体価も予測因子となり得る、との示唆もなされています(出典:小麦アレルギー患児における大麦アレルギー合併を予測する因子の検討)
小麦のアレルゲンにおいては、ω-5グリアジン以外に高分子量グルテニン、低分子量グルテニン、α-グリアジン、β-グリアジン、また吸入により症状出現することのあるアレルゲンでα-アミラーゼ/トリプシンインヒビターなどもありますが、上記の例では、小麦アレルギーと診断された中でも52%の児では大麦にアレルギー症状を示しておらず、小麦アレルギーの症状が重症でない場合は、大麦に症状出現しない可能性があることが伺えるところでもあります。実際に摂食して症状出現するかどうか、が重要なところでもありますが、小麦のアレルギー症状が重症ではない方においては特に、大麦に症状出現しない可能性もあることを視野に少量から試されてみるのも良いかもしれません。また他の考察なども、今後ご紹介していきたいと思います。
出典・参照:小麦アレルギー患児における大麦アレルギー合併を予測する因子の検討
和光堂 はじめての離乳食 裏ごしかぼちゃ 2.4g 5か月頃から
9kcal/1包(2.4g)あたり
29608
はるまま
子供の離乳食でお世話にな…