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気管支異物が原因で咳が続く場合~肺炎、喘息?

2018.04.03

投稿者
クミタス

誤嚥により気管支に異物が入り込むことがあり、ピーナッツ、ナッツ、豆は誤嚥しやすい食物に挙げられますが、気管支異物が原因で、咳が長期に渡り続き、中には肺炎、喘息として治療される場合もあります。

10歳男児のケースでは、1歳時に魚を摂取中に誤嚥してから喘鳴が出現し喘息として加療され、2歳時に気道の精査を行い異常なしとの診断。4歳時に症状が一旦軽減したが、7歳時より肺炎を反復し、気管支拡張症と診断され、9歳時に気管支鏡検査で右中間気管支幹にポリープが認められ、別の病院での胸部CT検査にてポリープの遠位側に高吸収域を認め異物が疑われ、ポリープ、不整形で暗緑色の病変の切除、病理学検査で魚骨による反応性ポリープと診断されており、術後症状は改善したものの気管支拡張は残存し1 年に1回肺炎を反復しています。

1歳4カ月の男児のケースでは、長期間持続する咳があり、前医で肺炎と診断されて治療を受けていたが治癒せず、4カ月後に胸部CTで気管支異物と診断され気管支鏡で異物を摘出。異物はセロハンテープであったことで、X線透過性であったことも気管支異物が疑われなかった一因可能性として挙げています。

69歳男性のケースでは、咳嗽、喀痰を認め、前医の胸部X線にて右中下肺野に浸潤影を指摘。同年に別病院に紹介となり、聴診にていびき音と胸部CTにて中枢性の気管支拡張とその内腔に粘液貯留が認められ、画像と臨床経過からアレルギー性気管支肺アスペルギルス症が疑われたが、後の諸検査と画像再評価により異物の誤嚥が考えられ、気管支鏡検査の結果、ピーナッツ誤嚥と判明し異物除去により症状は改善しています。

食事中に咳こみ、その後、咳が続く場合は、誤嚥により気管支に異物が入ったことが原因となっている場合もあり、また早めに異物除去ができていれば、症状の持続、進展を避けられることもあります。4か月後に咳をした際に1cm大の柑橘類種子が吐き出されたケースもありますが、もし誤嚥以降、咳が続く場合は、その旨を受診時に伝えられるのが望ましいでしょう。


小さい玩具・文具の誤嚥、誤飲に際して
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2500


出典・参照:Allergic bronchopulmonary aspergillosis(ABPA)様の画像を呈したピーナッツ気管支異物の1例
発症から9年後に摘出された気管支異物の1例
長期間介在した小児気管支異物の1例

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