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遺伝性血管性浮腫とアレルギー

2023.12.06

投稿者
クミタス

血管性浮腫は突然に起きる浮腫で体の全ての部位に生じ得、多くのケースにてかゆみや痛みはなく1週間内に消失し指圧痕も残らない特徴があります。血管性浮腫は「遺伝性」とそれ以外の原因で発症する「後天性」の2つに大きく分けられ、遺伝性血管性浮腫(HAE)において小児期から発症する場合があり、原因不明の浮腫や腹痛発作を繰り返すなどの性質上、慢性蕁麻疹や薬剤アレルギー、アレルギーとの鑑別が必要になるとの示唆もなされています。

17歳女性。小麦アレルギーの精査目的に受診。幼少期から発作性の浮腫や腹部症状を繰り返し,13歳から元々症状なく摂取していた小麦摂取後に同症状を複数回認め、小麦アレルギーが疑われ、小麦除去指導された。その後も同様の発作を繰り返し、薬剤使用後に発作を認めた際には薬剤アレルギーが疑われ、複数薬剤に対してアレルギーラベルが貼られ回避指導された。小麦や被疑薬を除去しても発作が改善せず、C4,C1-INH活性は正常だったが、家族歴、歯科治療後の複数回発作、抗ヒスタミン薬無効、C1-INH製剤の著効などからHAE-normal-C1INHと診断した。二重盲検プラセボ対照による小麦負荷試験は陰性で小麦除去解除となった。アレルギー疑いの複数薬剤はプリックテストとオープン法による薬剤負荷試験のいずれも陰性であった(出典・参照:梅沢 洸太郎, 山本 貴和子, 三上 嘉子, 高橋 隼也, 福家 辰樹, 浅野 善英, 大矢 幸弘 小麦アレルギー,薬剤アレルギーと考えられていた遺伝性血管性浮腫III型の思春期例)。

原因不明の浮腫や腹痛発作を繰り返していたり、喉が腫れ呼吸が苦しくなったことがある、アレルゲンである食物や薬剤を摂取していなくても症状が繰り返し出現している場合は、受診し相談できるのが良いかもしれません。

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