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抗菌剤による反応のケースから

2025.03.24

投稿者
クミタス

トスフロキサシントシル酸塩水和物はニューキノロン系抗菌剤の1つですが、ニューキノロン系抗菌剤において、シプロフロキサシン、モキシフロキサシンは六員環をふたつ組み合わせた二環式化合物、オフロキサシン、レボフロキサシン、パズフロキサシンは三環式化合物に該当し、同系のキノロン抗菌剤同士では交差反応が生じやすいとの示唆も見られています。

6歳女児。トスフロキサシントシル酸塩水和物を内服10分後に顔面の膨疹、20分後に全身の膨疹が出現し、夜間救急室を受診した。喘鳴も出現し、SpO2が84%(室内気)のため、アナフィラキシーの診断でアドレナリンが筋注された。当院での皮膚プリックテスト(トスフロキサシン100μg/mL)は平均膨疹径2mmと陰性で好塩基球活性化試験も陰性であった。薬物誘発試験では、内服10分後に顔全体の掻痒、口唇の血管性浮腫と眼瞼周囲の膨疹が出現したため、陽性と判定された。他のキノロン系抗菌薬は、ナジフロキサシン軟膏、オフロキサシン眼軟膏の塗布試験、レボフロキサシン点眼液、モキシフロキサシン点眼液の塗布試験・点眼負荷試験は陰性であった(出典・参照:トスフロキサシンによる即時型アレルギー反応を呈し,他のキノロン系外用抗菌薬への交差反応性を示さなかった小児例)。
上記はキノロン系抗菌剤の1つであるトスフロキサシントシル酸塩水和物の内服後に即時型アレルギー反応を呈したが、他のキノロン系抗菌薬の軟膏、点眼液では交差反応を示さなかった報告になります。
抗菌剤によるアレルギーについては以下にも掲載しております。よろしければ併せてご覧ください。
レボフロキサシンによる反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4216

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