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魚アレルギー~摂取可能な魚、魚加工品がある場合も

2018.07.08

投稿者
クミタス

魚アレルギーにおいては、主要アレルゲンはパルブアルブミン、コラーゲンが挙げられますが、魚、魚加工品により摂食可能である方も見られています。

愛知県内の病院に受診した小児で魚アレルギーの疑いのある149名に魚40種の摂取と症状有無を尋ね、エピソードが明らかな105名を分析したところ、
症状を自覚している魚は1~3種と回答したのは6割で、症状は蕁麻疹が多く、呼吸困難は1名、83%においては摂取可能な魚があると回答し、摂取可能との回答の中で81.8%がマカジキで、79.2%がツナ缶であった(出典・参照:アンケート調査による魚アレルギー患者の魚種別摂取状況)

アトピー性皮膚炎の合併のある5歳女児で、1歳時に鮭、八宝菜(エビ、イカ、ホタテ入り)を摂取後に口唇浮腫、膨疹が出現し、特異的IgE抗体値は、クラス4がタラ、イワシ、クラス3が鮭、マグロ、サバ、アジ、クラス0がエビ、イカで、プリックテストで鮭、マグロ、タラ、アジ、イワシ他多種の魚が陽性、イムノブロッティングでの検討で、パルブアルブミン陽性、コラーゲン陽性であった。魚種別にパルブアルブミン含有量を定性的に評価した結果に基づいて濃度の低いマグロの缶詰(ツナ缶)で4歳時に経口負荷試験をおこなったところ、20gの摂取が可能であった(出典・参照:乳児期より魚アレルギーを有し幼児期に摂食可能となった小児の1例)。

2014年4月~2017年10月に魚アレルギーの疑いで受診した小児のうち、仮性アレルゲンが原因と診断された児を除く34名において、初回摂取発症は22名、初発時年齢の中央値1歳7か月で、中途で発症した12名のうち9名において赤魚で発症し、うち4名は赤魚のみに症状があった。現在2名は魚全般に耐性を獲得しており、赤魚のみ除去は6名、赤魚以外の一部の魚のみ除去2名、2名でツナ缶の摂取が可能であった(出典・参照:発症状況別にみた魚アレルギー児の臨床経過報告)

複数の魚種を摂取可能であった方でも、特定の魚種にアレルギーを発症する場合もありますが、摂取可能な魚、魚加工品がある場合もあります。医師に相談のうえ、魚アレルギーにおいても、摂取可能な魚があるか確認のうえ、最低限の除去がおこなえると望ましいでしょう。

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