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IL-17と皮膚疾患 8.28更新

2018.08.26

投稿者
クミタス

乾癬の病態には複数のサイトカインが関与していることが分かっていますが、乾癬やその他の自己免疫疾患の発症、疾患修飾に、炎症性サイトカインの1つ、IL-17の発現増加が関連していると考えられています。
乾癬治療においてIL-17阻害薬があり、抗IL-17A抗体のセクキヌマブ(コセンティクス)、イキセキズマブ(トルツ)、抗IL-17RA抗体のブロダルマブ(ルミセフ)などが挙げられます。

Th17細胞、γσT細胞などが産生するIL-17(IL-17Aなど)はIL-22と、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)や、ケモカインの産生を促進、好中球の遊走と活性化を誘導し、表皮の過形成など乾癬の病変を構築すると見られています。一方、IL-17は抗菌ペプチドの発現を誘導し細菌感染防御にもはたらくため、阻害薬においては場合により感染症発症リスクもあります。
IL-17Cは、主に上皮によって産生されるサイトカインで、アトピー性皮膚炎治療を視野にした生物学的製剤候補「IL-17C抗体MOR106」の試験も進められています。
気道上皮における IL-17C の低下は、気道感染のしやすい環境となり、喘息の増悪により産生増強した IL-13 が IL-17C 発現を低下させ、呼吸器感染のリスクを高める可能性についての示唆もあります。
今後も情報をアップデートしていきたいと思います。


出典・参照:Neutralization of IL-17C reduces skin inflammation in mouse models of psoriasis and atopic dermatitis.
IL-17C: A Unique Epithelial Cytokine with Potential for Targeting across the Spectrum of Atopic Dermatitis and Psoriasis.

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