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ピーナッツの経口免疫療法をカプセルで実施

2018.11.22

投稿者
クミタス


測定されたピーナッツタンパク質を充填したカプセル(AR101)を開いて、その粉末を食品に混ぜることで、経口免疫療法を実施することの有効性、安全性についての第Ⅲ相試験結果が報告されています。
ピーナッツにアレルギーのある北アメリカ、ヨーロッパの10か国に在住の4~17歳の496人(うち124人がプラセボ群)と18~49歳の55人を対象に、ピーナッツアレルギー経口免疫療法試験(PALISADE)をおこなったところ(無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験)、開始から約1年を経て終了時の食物経口負荷試験では、4~17歳のAR101摂取群の67.2%でピーナッツ2粒相当量の単回摂取を可能にし(ピーナッツタンパク質約600mgに相当)、試験を完了した4~17歳のAR101摂取群(296人)では84.5%を占めた。
期間中に4~17歳のAR101摂取群の20.4%、プラセボ群の6.5%が試験を中止し、AR101摂取群の中止者においては、胃腸症状6.7%、全身性のアレルギー反応2.4%、呼吸器症状1.1%、アナフィラキシー1名を含む12.4%が有害事象による中止であった。
18〜49歳の成人患者55名(うちプラセボ群14人)においては、AR101摂取群41人中21人(51.2%)が治療を中止し、8人(38%)が有害事象による中止であり、試験を完了したAR101摂取群の85%で少なくともピーナッツ2粒相当量(ピーナッツタンパク質約600mgに相当)の摂取となった。

経口免疫療法においては、適切な運用により早期に耐性獲得が難しい方において寛解を目指すものでもありますが、閾値を超えての摂取などにより、症状出現することがあります。
より安全な経口免疫療法の実施に際しては、低用量からの導入、時間をかけての増量、経皮免疫療法など挙げられます。ピーナッツタンパク質を充填したカプセルにおいては、正確に測定された量であって簡便に用意できることで、摂取量のコントロールがより安全に可能になるのであれば、誤食などがなければ症状出現リスクを低減しながら耐性獲得につながる可能性が考えられます。
今回は2月になされた報告内容を中心に記載いたしましたが、有効性、安全性評価についての補足なども含め、また追記したいと思います。


https://ir.aimmune.com/news-releases/news-release-details/aimmune-therapeutics-pivotal-phase-3-palisade-trial-ar101-meets
https://ir.aimmune.com/news-releases/news-release-details/landmark-palisade-trial-ar101-published-new-england-journal

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