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マスク着用による原因物質吸収低減

2018.12.17

投稿者
クミタス

N95マスクは、大気中の微生物などを捕集し、着用者の吸収リスクを低減する目的で使用され、サージカル・マスクはマスク装着者から微生物などを含む粒子が大気中に拡がるのを防ぐ目的で使用されます。N95マスクは0.3μm以上の塩化ナトリウム(NaCl)結晶の捕集効率が95%以上を意味します。

キノコ栽培者で咳が出現するようになり、胸部CTでは両側のびまん性スリガラス陰影、小葉中心性粒状影を認め、キノコ胞子による職業関連過敏性肺炎と考えられた方において、マスクを装着しキノコ栽培に従事したところ改善が認められ、キノコ栽培の労作中にN95マスクを着用を継続し症状が再燃していない方の例などの報告もみられています。
しいたけ、ナメコ、シメジ、ブナシメジ、エリンギなどのキノコ胞子は長径 5~10 µm前後、短径 3~5 µm前後であり、一定の胞子についてN95マスクで捕集し得るサイズと言えます。

抗原、穀物粉の粒径とマスク


他抗原などの大きさとしては、以下範囲で見られることが多いところでもあります。
花粉:ブタクサ花粉の直径は20μm前後、スギ花粉は約30μm前後、イネ花粉は約20~40μm程
黄砂:1~10μm程(4μmがピーク)
PM2.5:粒径が 2.5μm の粒子を 50%の割合で分離できる分粒装置を用いて採取される微小粒子のことで、2.5μm以下の物質も占めます。
ダニ抗原:約50%前後が粒径7μm以上、80%ほどが5.5μm以上など
ネコ抗原:Fel d 1は粒径5μm以下で多く占めます。

穀物粉の粒度(粒の直径)分布と、多くみられるの粒の直径(ピークの粒径)
小麦粉(強力粉)  10~130μm 
小麦粉(薄力粉)  5~100μm  ピークは30μmほど
小麦粉(薄力粉 全粒粉)   5~1000μm  ピークは50μmほど
そば粉    7~500μm  ピークは81μmほど
米粉    5~600μm  ピークは70μmほど
全脂粉乳・脱脂粉乳   5~400μm

水分吸収、他物質の吸着により膨脹したり、粒径大が大きくなったり粒子が破裂することなどもありますが、粒径が小さいほど大気中に浮遊する時間が長くなり、曝露機会が増えたり吸入量が多くなることがあります。
マスクにより捕集可能な粒子大が異なりますので、適したマスク選択と着用(マスクになるべく触らないようにし、鼻もしっかりと覆い、できるだけ顔にフィットさせるなど)、交換をしながら、曝露量低減につなげていきたいですね。

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