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2018.12.25
食後に嘔吐、下痢を生じる場合、食中毒も原因の1つに考えられますが、摂食後の体内で原因菌が増殖したり、毒素が産生されて症状出現するなど時間を要することで、食後12時間~を経て症状を自覚することも少なくないところでもあります。
食後比較的短時間に嘔吐、下痢が生じ、含有成分を同じくする食物の摂食が原因の場合、食物アレルギー以外に乳糖不耐症、好酸球性胃腸炎などである可能性も考えられます。
・乳糖不耐症:腹痛、下痢
主に腹痛、下痢で嘔吐を生じないことも多い
・好酸球性胃腸炎 (EGE) :食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢、血便、体重減少、腹水など。
重症化すると消化管閉塞、腸破裂、腹膜炎を起こす場合があります。状態によりクローン病、潰瘍性大腸炎、壊死性腸炎、消化管閉鎖、細菌性腸炎、偽膜性腸炎、新生児メレナ、メッケル憩室症、中腸軸捻転、腸重積、幽門狭窄症、ヒルシュスプルング病などとの鑑別がなされます。
また、食中毒の中では症状出現までの時間が食後6時間内と比較的短いものに、以下などが挙げられます。
・ヒスタミン中毒
魚類(サバ、イワシ、マグロ、ブリなど)、発酵食品(チーズ、ワインなど)、野菜(ナス、トマトなど)の摂食後に発疹、皮膚の赤み・かゆみ・腫れ、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、金属様の味、めまいなどを生じることがあります。
・自然毒による食中毒
フグ毒、毒キノコ(ドクツルタケ、タマゴデングダケ、ニセクロハツ、シャグマアミガサタケなどは比較的症状出現まで長く6~24時間~になりますが、多くは摂食後30分~数時間内に症状出現します)
・汚染食物(食品中や小腸などで原因菌が増殖、毒素産生)
黄色ブドウ球菌(30分〜6時間~)、セレウス菌(嘔吐型で30分〜6時間~、下痢型は8〜16時間~症状出現)、サルモネラ(5〜72時間~)、腸炎ビブリオ(8~24時間~。2~3時間で症状出現する場合も)、ウェルシュ菌(増殖次第ですが症状出現まで平均10時間~)など
過敏性大腸炎、ダンピング症候群、急性胆嚢炎、胆石発作、急性虫垂炎(盲腸)、腸閉塞、急性膵炎などで下痢、嘔吐を生じることもありますが、食後に激しい腹痛、また血が混じった嘔吐や下痢、麻痺、ふらつき、今までに感じたことの無い寒気などがある場合は、速やかに受診できるのが望ましいでしょう。
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