穀物酢は米、トウモロコシ、小麦、酒粕、麦芽（モルト）などが原料として使用されますが、今回は卵，小麦，大麦にアレルギーにある小児で穀物酢摂取後にアレルギー症状が出現したケースについて掲載します。

2歳女児。生後 1 か月より湿疹あり、喘息なし。食物アレルギーあり（卵、小麦、大麦など）。6か月時、小麦入り離乳食を5口摂取し全身発赤と膨疹を認めた。1歳6か月時、うどん負荷試験（OFC）で計1.7g 摂取しアナフィラキシーショックをきたしたため、小麦完全除去継続としていた。
2歳時、ゆで卵白での食物経口負荷試験で予定量摂取完了1時間後、病院給食を摂取した後に口囲発赤と咳・喘鳴が出現した。給食に穀物酢が使われており、卵と小麦どちらの誘発症状なのか不明であったため、穀物酢の皮膚プリックテスト （SPT）と 食物携行負荷試験が計画された。皮膚プリックテスト（SPT）は陽性であった。穀物酢 食物経口負荷試験として1，2ml を60分間隔で摂取したところ、摂取8分後に口囲発赤、15分後に咳が出現し、1時間後に自然軽快した。後日行った同量のゆで卵白での食物携行負荷試験は陰性であったため、穀物酢によるアレルギー症状と判断された（出典・参照：雨積涼子，仲西大輔，比嘉千明，酒井一徳，尾辻健太 沖縄協同病院小児科　穀物酢でアレルギー症状が出現した重症小麦アレルギーの一例）。
上記では、小麦を除去しており穀物酢も除去中ですが、醤油は摂取可能と報告されています。よろしければ以下も併せてご覧ください。
醤油に含まれる小麦、みそに含まれる大豆にどれくらいの人が反応するか？
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1516