アメリカ、カナダでのアレルギー表示におけるツリーナッツには松の実も含まれ（アメリカでの松の実アレルギーの報告例は、ツリーナッツアレルギーの5％未満ほどとの示唆もあります）、韓国では松の実をアレルギー表示対象とする改正案を2017年9月29日に行政予告しています。
国内での報告例は多くはありませんが、クルミアレルギー児において松の実にもアレルギーを合併している例、松の実摂食後に固定疹（同じ個所に生じる皮疹）を生じる例などもみられています。

5歳女児において、外食にて松の実を含むソースがかかっているカルパッチョの松の実を食べた際に「辛い」と訴えがあり、少ししてから喉の痛みを訴えた。しばらくして口の周りに発疹出現。直ちにアタラックスP・ケトチフェンRを内服。内服後も症状改善みられないため救急外来受診。受診時は眼球結膜の充血、全身の葦麻疹みられ、痒みが強かったため、アタラックスPの投与、点滴施行中から咳が出現、増悪し、聴診で喘鳴を認めたため、気管支拡張薬を吸入し症状消失した。後日、松の実を用いて皮膚プリックテストを施行したところ陽性であったため．松の実によるアナフィラキシーであったと考えられた（出典・参照：松の実によるアナフィラキシーの一例 石川勤労者医療協会城北病院小児科、石川勤労者医療 協会健生クリニック小児科 武石大輔 松本一郎 飯村雄次 三上真理子 山田優子 河野晃）

松の実はバジルペースト・ソース、参鶏湯、キムチ、ミックスナッツ、一部のカレールウ、グラノーラや焼肉のたれ、クッキー、粥などに使用されていることがあります。今後も松の実によるアレルギーの例やアレルゲンについてなど、情報をアップデートしていきたいと思います。