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カルボキシメチルセルロース(CMC)によるアレルギー

2019.08.05

投稿者
クミタス

カルボキシメチルセルロース(CMC)は、増粘剤として、一部のアイス・シャーベット、アイスミックス、キャンディ、グミ、タブレット、オーラルケアタブレット、歯磨剤、ゼリー、春雨、ビーフン、マロニー、ココア、ケーキミックス、お好み焼き粉、乳飲料、野菜飲料・果汁飲料、焼菓子、ココナッツミルク、トッピングシュガー、ポテトフライ、パスタソース、春巻、餃子など幅広い食品での使用が見られます。
また、医薬品の品質安定、有効性向上、外観を良くするといった目的で医薬品添加物としても、カルボキシメチルセルロース(カルメロース)は使用されています。

整形外科に通院し、局所注射を受けることがあった81歳男性で、ステロイド注射とリドカイン注射(麻酔)を受けたところ、投与後10分以内に全身掻痒感、腹部の蕁麻疹が出現した。症状出現後に処置として抗ヒスタミン薬の内服とステロイド外用薬塗布がおこなわれたが、帰路の駅で嘔気、全身の発疹、呼吸困難、意識消失となり救急搬送された。搬送先でアナフィラキシーショックと診断され、アドレナリンなどの加療により改善した。後日の精査で皮内検査では、ステロイド注射薬の添加物であるカルメロースが陽性で、原因成分と考えられた(出典・参照:局所投与用のステロイド注射薬によりアナフィラキシーを発症した症例)。

医薬品と食品に使用される添加物においては、食品の摂食を通じて感作し、医薬品使用時に症状が出現する場合もあります。
カルボキシメチルセルロース含有のバリウム製剤の服用後にアナフィラキシーを生じた例など、カルボキシメチルセルロースによるアレルギーの例は、今までにも見られていますが、幅広い食品、薬剤で使用される添加物が原因である場合は、同一薬剤使用、同一食品・食物摂食でなくても症状出現し得ることを留意のうえ、違和感があった場合は、受診時に使用薬剤、摂食した食品を伝えられるようにしておけるのも望ましいでしょう。

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