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キハダマグロのアレルゲン

2022.03.07

投稿者
クミタス

キハダマグロ(スズキ目サバ科)はツナ缶の原料となることも多い魚で、キハダマグロの主なアレルゲンとしては、現時点で以下が考えられています。

Thu a 1  パルブアルブミン(11~12kDa)
Thu a 2  エノラーゼ(約50kDa)
Thu a 3 アルドラーゼ (約40kDa)

パルブアルブミンは魚の種類によっても含有量が異なり、キンメダイやイサキでのパルブアルブミンの含有量は、数~10数mg/g、一方マグロではその1/10~1/100と少ないと考えられています。また、マグロの部位のなかでも、血合いの部分、また比較的、尾側や背側はアルブミン含有量が少なく、頭側、腹側の筋肉はより多いとの示唆があります。
エノラーゼ、アルドラーゼは、パルブアルブミンよりも分子量が大きく、サケ、またタラにおいても主要アレルゲンの1つと見られています。

加熱加工されたツナ缶においては、症状出現する方、しない方がいらっしゃっており、アニサキスを除いたマグロ魚肉とツナ缶から抗原を抽出し皮膚プリックテストをおこなった結果では、陽性の方、陰性の方も存在しています。 パルブアルブミンは、熱耐性はあるものの高温・高圧処理により低アレルゲン化する性質もありますので、パルブアルブミンがアレルゲンの方でも、一定量以上で反応する方においては、もともと含有量が少ないうえにさらに抗原性が低くなった場合は、症状出現しない場合も考えられるところでもあります。
また症状出現例についても掲載していきたいと思います。

出典・参照:A Kuehn 1, C Hilger, C Lehners-Weber, F Codreanu-Morel, M Morisset, C Metz-Favre, G Pauli, F de Blay, D Revets, C P Muller, L Vogel, S Vieths, F Hentges Identification of enolases and aldolases as important fish allergens in cod, salmon and tuna: component resolved diagnosis using parvalbumin and the new allergens
近藤康人 小松原亮 中島陽一 河村牧子 各務美智子 柘植郁哉 安田俊隆 宇理須厚雄 藤田保健衛生大学医学部 東洋水産株式会社 マグロアレルギー児における缶詰されたツナ(ツナ缶)に対するアレルゲン性の検討
食物アレルギー診療ガイドライン2021

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