マダニ咬傷後、マダニの唾液や消化管内に存在するα-Gal（糖類の一種）に感作され、α-Galを含む食物や薬剤を摂取した際にアレルギー症状を生じる（α-Gal 症候群）ことがあります。
牛肉、豚肉、羊肉、また牛乳などヒトを除く哺乳類のタンパク質上にα-galは含まれ、中のオリゴ糖がIgE結合能を持つことにより、アレルギー症状が出現すると考えられています。α-galによる交差反応においては、カレイ魚卵への反応、がん治療に用いられる分子標的薬セツキシマブ（アービタックス）投与による即時反応の一部においても見られています。
豚肉によるアレルギー～Pork-cat syndrome、マダニ
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2078　
血清アルブミンによるアレルギー①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4653
イノシシ肉摂食を機としたα-Gal 症候群の場合もあります。
70代男性。猪肉を食べた約3時間後にアナフィラキシーショックを発症し，緊急搬送された。60代女性は猪肉摂取の約2.5時間後に膨疹が出現したため近医を受診。2例とも精査目的に皮膚科・アレルギー科を初診し、α-gal特異的IgEが陽性で、α-Gal 症候群と診断されたケースなどの報告も見られています（出典・参照：服部尚子, 松本舞, 千貫祐子, 竹中基, 富村沙織, 塚崎直子, 室田浩之　猪肉の摂取で発症したα-Gal syndromeの2例）。

イノシシ肉摂食によるα-Gal 症候群以外の症状出現、アレルゲンの特徴などについても今後別途掲載したいと思います。