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重症度に差がみられる好酸球性胃腸炎(EGE)と抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬

2020.03.22

投稿者
クミタス

好酸球性胃腸炎(EGE)は、 消化管に好酸球が異常集積することで慢性炎症が生じますが、症例ごとに重症度に差があり、一時的な絶食や急性期の治療で改善し、再燃をみない予後良好例も見られています。

小児6人(男児2人、女児4人、年齢中央値)のうち、主訴は血便4名、腹痛4名、下痢1名、嘔気1名、体重減少1名、部位は十二指腸が3人(潰瘍2人)、横行結腸1名、下行結腸1名、S状結腸1名、直腸1名、治療は2例が急性期の非特異的な治療で改善し、潰瘍を認めた2人はプロトポンプ阻害薬、また3人にはロイコトリエン受容体拮抗薬、トシル酸スプラタスト、抗ヒスタミン薬の投与をおこなった。現在特異的な治療を要さなかった2人を含む3人が無治療、潰瘍の2人では、症状は安定しているがプロトポンプ阻害薬継続、1人は時に血便があり、ロイコトリエン受容体拮抗薬、トシル酸スプラタスト、抗ヒスタミン薬を投与中である(出典・参照:軽度の小児好酸球性胃腸炎の検討)。
など、軽度の好酸球性胃腸炎(EGE)においては、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬により症状改善することもあります。

5歳女児。半年前からの繰り返す水溶性下痢を主訴に受診し、好酸球増加、鉄欠乏性貧血、低タンパク血症、便潜血陽性を認め、好酸球性胃腸炎の疑いで入院となった。入院後、IgE RASTにて卵白、リンゴが陽性であり食事制限をおこなったが、症状の改善はなく、検査で白血球数21200/μl(好酸球76%)と増悪傾向を認めた。消化管内視鏡検査にて十二指腸球部の粘膜に発赤があり、病理像に著名な好酸球の湿潤があり、好酸球性胃腸炎と診断された。トシル酸スプラタスト投与開始後、水溶性下痢は消失し、7日後には白血球数11800/μL(好酸球33.0%)と改善傾向を認めた。外来経過観察中、ふたたび白血球数13300/μL(好酸球42%)と上昇傾向を認め、クロモグリク酸ナトリウム(抗アレルギー薬)の投与が追加。投与2か月後、白血球数5600/μL(好酸球6.0%)となり、鉄欠乏性貧血、低タンパク血症状も改善、投与4か月後には、便潜血陰性となった(出典・参照:抗アレルギー剤の投与にて治療しえた好酸球性胃腸炎の1例)

好酸球性胃腸炎において、患者さんにより症状程度に違いがありますが、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬により症状が改善する場合もあることが伺えます。また情報をアップデートしていきたいと思います。


他の参照文献:好酸球性胃腸炎の小児2例

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