Author クミタスさん
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読み物
2020.05.14
人の体には、感染症を起こし得る微生物が存在することがあり、一時的に存在する微生物を含め以下などが挙げられます。
上気道
・肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリス、インフルエンザ菌
発症可能性のある疾患:肺炎、副鼻腔炎、中耳炎
・黄色ブドウ球菌:鼻咽腔
発症可能性のある疾患:血流感染症、蜂窩織炎(ほうかしきえん:皮膚の深層から皮下脂肪組織にかけて化膿性炎症をおこす)、壊死性筋膜炎
・髄膜炎菌:鼻咽頭
発症可能性のある疾患:髄膜炎、髄膜炎菌血
・A群レンサ球菌:咽頭
発症可能性のある疾患:咽頭炎、蜂窩織炎(ほうかしきえん)、壊死性筋膜炎
口腔内
・緑色レンサ球菌
発症可能性のある疾患:感染性心内膜炎
皮膚、粘膜
・黄色ブドウ球菌
発症可能性のある疾患:血流感染症、蜂窩織炎(ほうかしきえん)、壊死性筋膜炎
・コアグラーゼ陰性ブドウ球菌
発症可能性のある疾患:血流感染症
消化管
・B群レンサ球菌
発症可能性のある疾患:新生児髄膜炎
・腸球菌、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス、セラチア、エンテロバクター、シトロバクター
発症可能性のある疾患:尿路感染症、胆道感染症、腹膜炎
蜂窩織炎は、皮膚の下の蜂窩織(ほうかしき)と呼ばれる部位に起こる炎症で、皮膚・軟部組織感染症では伝染性膿痂疹、丹毒などともに比較的よくみられます。蜂窩織炎はリンパ浮腫の合併例以外にも、アトピー性皮膚炎の方の掻き傷などから細菌感染し発症することがあり、下肢などの皮膚が赤く腫れ熱感をおび、触ると痛みを伴います。
蜂窩織炎は伝染性膿痂疹、丹毒よりも皮膚の深い部分で生じ、病変の境界が丹毒よりもはっきりしない面があります。伝染性膿痂疹のうちの痂皮性膿痂疹はアトピー性皮膚炎の方でできやすく、カポジ水痘様発疹症との鑑別が必要になることがあります。
蜂窩織炎の一般的な治療は抗菌薬による薬物療法ですが、重症蜂窩織炎では敗血症性ショックを起こすことがあり、また蜂窩織炎から壊死性筋膜炎に進展する場合もあります。発熱や悪寒、ふるえや関節痛、倦怠感などの全身症状、意識障害、頻脈・⾎圧低下がある、皮膚・皮膚深部の強い痛み、皮膚に黒い部分などがある場合は、速やかに受診するようにしましょう。また、蜂窩織炎は再発することがありますので、感染予防のうえでも皮膚を良好な状態に維持できるのが望ましいでしょう。
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