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時間を経て症状出現するケース~手術を機としたアナフィラキシー~ラテックス、ゴム

2020.06.02

投稿者
クミタス

手術時に筋弛緩薬、筋弛緩薬の拮抗薬、麻酔薬、手術時の組織接着・閉鎖に用いる組織接着剤、ラテックス製ゴム手袋の使用などにより、アナフィラキシーを発症することがあります。
全身麻酔中は意識がなく、患者さん自身が症状を訴えることができず、アナフィラキシーによる循環器症状が出現した場合も薬剤による影響と判別がしにくい面があります。また布に覆われていることで皮膚症状が発見されるまでに時間がかかったり、人工呼吸管理下では、気道狭窄が進んだ状態になって判明する可能性もありますが、手術を機としたアナフィラキシー発症において、特にラテックスアレルゲンによるアナフィラキシーは一定の時間が経過してから発症することもあります。

アトピー性皮膚炎の既往のある12歳男児。漏斗胸に対して全身麻酔下に3回の手術歴がある。3回目の手術中、執刀から3時間半後(胸腔内癒着剥離中)に全身の膨疹と血圧低下が出現しアナフィラキシーショックとなったため、4回目の再手術を前にアナフィラキシーショックの原因検索を行った。血液検査でラテックスと主要ラテックスアレルゲンの Hev b 6.02 に対する特異的IgE抗体が陽性、皮膚テストで術中使用薬剤は全て陰性、ラテックス抽出液(10倍希釈・原液)とアボカドが陽性で、ラテックスによるアナフィラキシーショックと診断された(出典・参照:麻生 麻里子, 伊藤 宏太郎, 大賀 保範, 笹本 聖人, 今福 信一, 手術中に生じたラテックスによるアナフィラキシーショックの 1 例, 西日本皮膚科, 2020, 82 巻, 1 号, p. 10-13, )。

上記例のように複数回手術をおこなっているうちに手術を機にアレルギー症状、アナフィラキシーが出現することがあります。次回手術時の症状出現を防ぐうえでも、原因探索ができるのが望ましいでしょう。

手術時のアレルギー反応~組織接着剤
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2362

手術とアレルギー発症
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3635

出典・参照:手術室発症のアナフィラキシーショック

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