Author クミタスさん
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2021.06.23
パッチテストは、アレルギー性接触皮膚炎の診断に用いられる検査法でもあり、原因物質を明らかにすることで、それまでに治りにくかったり、繰り返し発症していた皮膚炎の治療に有用となり得るところでもあります。
持参品によるパッチテストもおこなわれますが、パッチテストは十分な量の被疑物質(アレルゲン)を強制的に経皮吸収させ、アレルギー反応を惹起させるため、貼布する試薬/アレルゲンの量や濃度、溶媒となる基剤の選択、パッチテストユニット(試薬を載せるチャンバーと粘着テープ)の貼布状態、貼布時間などがパッチテストの結果に影響を及ぼします。パッチテストの偽陽性反応、偽陰性反応の背景・原因として以下などが挙げられています。
偽陽性反応
・貼布濃度が高すぎた
・被疑物質に不純物が混ざっていた
・溶剤、時に白色ワセリンなどの基剤による反応
・被疑物質の過剰貼布
・被疑物質が基剤の混ざり具合が均一でなかった場合(特に結晶成分)
・貼布部位による影響(Excited-skin syndrome)
・貼布部位の現在、または過去の皮疹による影響
・離れた部位の現在の皮疹による影響
・テープによる圧迫、基剤や家具、衣類などの機械的刺激による影響
・粘着テープの影響
・貼布したこと自体の影響 など
偽陰性反応
・十分に被疑物質が浸透しなかった
・貼布濃度が低すぎた
・被疑物質が基剤から遊離されなかった、フィルターペーパーに残っていた
・貼布量が少なかった
・不十分な密閉
・密閉時間が短かった
・推奨された部位に貼布していなかった
・ネオマイシンやコルチコステロイドなど反応が遅く出現する物質を貼布した
・貼布部位がコルチコステロイド薬や紫外線、グレンツ線で治療されていた
・コルチコステロイド薬や免疫抑制剤で全身治療を受けている
・アレルゲンが活性型ではない、もしくは不十分に酸化されている場合(テルビン油、ロジン化合物、D- リモネンなど) など
パッチテスト、検査法についてまた掲載したいと思います。
出典・参照:接触皮膚炎診療ガイドライン 2020
Wahlberg JE, Lindberg M: Patch testing. In: Frosch PJ, Menne T, Lepoittevin JP(eds): Contact Dermatitis, 4th Ed, Germany, Springer, 2005, 366―386.
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