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ポリエチレングリコール(PEG)とアレルギー

2024.02.01

投稿者
クミタス

ポリエチレングリコール(polyethylene glycol;PEG)は、潤滑、離型、増粘、減粘、可塑化、乳化・分散、蓄熱、保湿、結合、帯電防止などの目的でゴム、接着剤などの工業用途や、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤など幅広く使用されており、アレルギー性疾患治療剤のアレロック(アレロック錠5、アレロック顆粒0.5%)にも使用されています。
ポリエチレングリコール(PEG)によるタンパクの表面修飾は、タンパクの生体内安定性を向上させるとみられていますが、図らずもポリエチレングリコール(PEG)がタンパクに結合することによって PEG に対する免疫応答が惹起されることがあるとも考えられています。
ポリエチレングリコールによるアレルギーについては、
マクロゴールによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3330
でも掲載していますが、他のケースについても掲載します。

2歳女児。便秘症があり、主成分がポリエチレングリコール(PEG)(マクロゴール4000)であるモビコール配合内用剤LD(慢性便秘症治療薬)1包の初回内服後、複数回嘔吐、全身発赤といった症状をきたし、アナフィラキシーを発症した。後日施行したモビコール®の好塩基球活性化試験は陰性であったが、皮膚プリックテスト陽性であり、モビコール®アレルギーと診断された。モビコール®アレルギーの診断に皮膚プリックテストが有用であった(出典・参照:百々菜月, 田中裕也, 岡崎沙也香, 土井圭, 浜田佳奈 兵庫県立はりま姫路総合医療センター小児科 兵庫県立こども病院アレルギー科 ポリエチレングリコール製剤(モビコール®)によるアナフィラキシー)。

上記は小児での経口薬含有のポリエチレングリコール(PEG)(マクロゴール4000)に反応したケースで、それまでにポリエチレングリコール(PEG)の使用歴はなかったと記述されていますが、今後も他のケースや特徴についてなど掲載したいと思います。

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