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合成ゴム製手袋とアレルギー性接触皮膚炎

2021.02.21

投稿者
クミタス

ラテックスにアレルギー症状が出現する方においては、ラテックスアレルゲン以外に、ゴム製品に使用される添加物に反応することがあります。
合成ゴム製のニトリルゴム手袋は、天然ゴム製のラテックスゴム手袋の代替として使用されることがありますが、ニトリルゴム手袋を使用していてアレルギー性接触皮膚炎を生じることもあります。

症状として痛みを伴う紅斑、浮腫、丘疹、乾燥、亀裂などが挙げられますが、ゴム手袋によるアレルギー性接触皮膚炎においては、使用される加硫促進剤が原因物質となることがあります。
美容器具サウナマスクを顔面に夜1時間装着した翌日に、装着した部位に落屑を伴う浸潤性紅斑が出現した例では、サウナマスクの成分分析で検出された化学物質のうち、加硫促進剤のジエチルチオウレア、そしてその分解産物エチルイソチオシアネートでもパッチテスト陽性。ニトリルゴム手袋によるアレルギー性接触皮膚炎と診断された36 歳女性で、エチルイソチオシアネート、ブチルイソチオシアネートがアレルゲンと考えられた例なども見られています。

慢性になると苔癬化し難治化することもありますので治療とともに、加硫促進剤不使用のニトリルゴム手袋もありますが、原因物質となっている場合は不使用の製品を選択、使用できるのが望ましいでしょう。


出典・参照:飯島 茂子, 小城 一見, 高山 典子, 石井 恭子, 佐々木 和実, 美容器具によるアレルギー性接触皮膚炎, 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌, 2016, 10 巻, 5 号, p. 562-568 飯島 茂子, 沼田 充, 佐々木 和実, ニトリルゴム手袋によるアレルギー性接触皮膚炎, アレルギー, 2020, 69 巻, 8 号, p. 669-677

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