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2021.03.03
アクリル酸エステルによる接触性皮膚炎~アクリル樹脂、レジン
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2806
でもアクリル樹脂、レジンによる接触皮膚炎について掲載しておりますが、使用された歯科材料に反応する場合があります。
72歳女性。50歳代より歯科治療や義歯で口内炎を繰り返していた。新たに臼歯の楔状欠損のコンポジットレジン修復と義歯作製を行ったところ、治療のたびに口内炎を生じ、できた義歯の当たる歯肉、舌にびらんを生じた。パッチテストにて、メチルメタクリラート (MMA) 、2-ヒドロキシエチルメタクリラート(2-HEMA) など5種のメタクリレートに陽性であった。
27歳の女性歯科医は職歴2年で、47歳の歯科助手は職歴1年半で, 36歳の主婦はジェルネイルを始めて6ヵ月で手指に瘙痒性の紅斑・角化・亀裂を生じ、パッチテストで多数のメタクリレートに陽性となった。
45歳歯科助手の女性。初診の1ヵ月前から歯科助手の仕事をはじめ、同時期より勤務後に右手第1~3指に限局した紅斑が出現。歯科医院でレジンの入った容器を洗浄する際、手袋をして右手1~3指を用いてレジンを拭い取っていたが、レジンの接触皮膚炎が疑われ、レジンシリーズと、歯科医院で使用しているレジンのポリマー(1%pet)、モノマー(1%pet)を用いてパッチテストを行ったところ、レジンシリーズのうちエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリラート(2-HEMA)と、歯科医院のレジンのモノマーで陽性反応を認め、レジンによる接触皮膚炎と診断された。
歯科で治療中の方においては、固まっていないレジン(残留モノマー)が原因物質の1つとなり、差し歯、仮歯を口内で制作し装着した後、新しい入れ歯の装着後、レジンのつめ物による治療後、その他レジンを使用した歯科材料使用後に症状出現する傾向があります。
レジンによる接触皮膚炎においては、触れていた皮膚の紅斑、腫脹、水疱、角化、亀裂が見られていますが、レジンが手袋を浸透し症状出現する場合もあり、2-ヒドロキシエチルメタクリラート(2-HEMA) などは浸透速度が比較的早いともみられています。今後の歯科材料の選択にも影響を及ぼし得るところであり、また歯科医療従事者においても症状出現する可能性を踏まえて対処できるのが望ましいでしょう。
出典・参照:生野 麻美子, 安藤 一郎, 歯科患者に生じたメタクリルレジンアレルギー, 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌, 2016, 10 巻, 5 号, p. 554-561, 公開日 2016/12/01
岡村 玲子, 峠岡 理沙, 尾藤 三佳, 上田 幸子, 益田 浩司, 加藤 則人, 羽倉 麻美, 歯科従事者のメタクリルレジンによる接触皮膚炎, 日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌, 2020, 3 巻, 2 号, p. 337-341
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小麦は確実に使われていな…