入院日より右手にリストバンドを装着していて、そのリストバンドの接触部位（右手関節部）に、かゆみを伴う境界がはっきりした帯状の紅斑が出現。リストバンドと接触したことによるアレルギー性接触皮膚炎と考えられ、製品分析、パッチテストをおこなったところ、2-（2-hydroxy-5-methylphenyl）benzo-triazole （Tinuvin-PⓇ）が原因であることが判明した例も見られています。
2-（2-hydroxy-5-methylphenyl）benzo-triazole（２－（２'－ヒドロキシ－５’－メチルフェニル）ベンゾトリアゾール）は、エタノール、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、スチレンモノマー、ジオクチルフタレート（DOP）に溶けますが、紫外線吸収剤としてもさまざまな有機高分子化合物に添加されており、皮膚炎を起こす原因物質となることがあります。
手首周りの皮膚炎においては、革製品や金属の時計や装飾品以外にも原因となる場合もありますが、境界がはっきりした皮膚症状の場合は接触皮膚炎である可能性がありますので、接触物を確認し対処できると良いかもしれません。

メガネを使用していて皮膚炎を生じた場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3245
マスカラ、アイライナー使用により痒くなる場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3405

出典・参照：花谷祐未, 村山直也, 竹中基, 室田浩之, 田原麻衣子, 河上強志 鈴木加余子 諫早総合病院皮膚科 長崎大学病院皮膚科・アレルギー科 国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部第四室 藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギー科 リストバンドによるアレルギー性接触皮膚炎