Author クミタスさん
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2021.09.24
「購入し時間が経過したドーナツを食べたところ口の中が痺れた」
油脂が劣化し酸価、過酸化物価が高い状態で摂食すると、口の中が痺れた感覚になったり、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出現する場合があります。
油脂含有食品が空気にさらされて酸化していくうちに、脂肪酸の炭素鎖が切れてアルデヒド(ヒドロペルオキシド(過酸化物))ができる ⇒ さらに酸化されてカルボン酸が生成される ⇒ 酸化過程で過酸化物価が上昇した後、酸価が上昇 ⇒ 酸敗した油脂を喫食して吐き気や嘔吐、下痢などの症状をが出現するとも考えられています。
購入し時間が経過したドーナツを食べたところ口の中が痺れた事例ではドーナツの臭いに異常はなく、検査時は摂食時よりも時間経過した状態ではありますが、ドーナツ残品の油脂の酸価は 1.5、過酸化物価は 59、揚げ油の酸価は 3.8、過酸化物価は 4 との結果が示されています。揚げ菓子に含まれる油脂の分析値による規制として酸価が3を超え、かつ過酸化物価が30を超えない(酸価のみでは5以下、過酸化物価のみでは50以下)となっており、食べ残しのドーナツの過酸化物価は超過した数値となっています。
油脂が酸化すると色が濃くなり、粘度が増しますが、酸化を促進する因子としては光、空気、高温、金属、水分が挙げられています。過酸化物価は保存温度が低い場合は緩やかに上昇する一方、温度が高くなるにつれて急速に上昇する傾向があり、光は蛍光灯の光でも過酸化物価は高くなります。早めの摂食、冷暗所での保管をできるのが望ましいでしょう。
出典・参照:化学物質及び自然毒による食中毒事件例(令和元年)
食用油に関するQ&A
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