ヒエやアワ等の穀物アレルギーと鳥飼育の関係性を示唆する成人での報告もなされていますが、
鳥餌とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2041
今回、小児でのヒエアレルギーと考えられる例について掲載したいと思います。
8歳男児。4歳時に原因不明の慢性蕁麻疹とアレルギー性鼻炎が出現したが食事は制限なく摂取出来ていた。6歳時に焼きとり、カスタード、カレーなどで腹痛や下痢が出現することが複数回あり近医受診。血中特異的IgE抗体が卵白、小麦、米、鶏肉、ピーナッツと多項目で陽性であったために、卵白、小麦、鶏肉、ピーナッツを除去指導された。8歳時に指導された除去食の学校給食で、昼食1時間後と30分後に2回アナフィラキシーが出現したため、精査目的で紹介により当院に受診。詳細な問診により2回とも小麦の代替として持参したヒエ麺を食べており、血中ヒエ特異的IgE 抗体は>100 と強陽性であった。その後はヒエ除去とし、小麦はうどんによる食物経口負荷試験で安全量を確認してから徐々に摂取再開して症状出現はしなかった(出典・参照:森田翼 元木京子 佐々木侑 鈴木大樹 長田紀大 蓑輪芳隆 尾野花純 永井爽 田中慎一朗 大戸佑二 板橋尚 中尾朋平 白石昌久 新田晃久 村上信行 松原知代 獨協医科大学埼玉医療センター小児科 小麦アレルギーと誤診断されて代替食として摂取したヒエ麺によるアナフィラキシー症例の検討)。
児の自宅では3歳時からセキセイインコを飼育しており、飼育していたセキセイインコの餌中のヒエの吸入感作により、ヒエアレルギーを発症した可能性も示唆されています。
上記は、血中特異的IgE 抗体陽性のみで小麦アレルギーと診断され小麦を除去していて、代替食品として摂取したヒエ麺によってアナフィラキシーが出現し、小麦は除去解除し摂取再開して症状出現しなかった例でもあります。
ヒエ麺を摂食してアレルギー症状が出現した国内での1~2歳児例(3人)の報告などは今までもなされていますが、そのヒエ麺から10ppm 以上の小麦タンパクが検出された試験結果も見られています。
特異的IgE値の血液検査だけでなく食物経口負荷試験などで精査しながら、不要な除去を抑え、摂取へ進められるのが望ましいところでもありますが、今後も小麦、大麦、ヒエ、キビ、アワ、米などのイネ科植物それぞれのアレルギー例、共通抗原性による影響などについてアップデートしていきたいと思います。
イネ科植物と食物アレルギー
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