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イクラとタラコの交差反応性

2022.04.26

投稿者
クミタス

魚卵に関するアレルギーについては、以下などでも掲載しておりますが、
いくらにアレルギーがある場合、他の魚卵にもアレルギー反応を示すのか?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1138
複数魚卵にアレルギー症状が出現する場合があります。

鮭の魚卵であるイクラと、スケトウダラの魚卵であるタラコ間において、共通して反応する可能性のあるタンパク質によりアレルギー症状が出現する可能性が示唆されていますが、イクラとタラコの交差抗原について調べた報告においては、
イクラの主要なアレルゲンであるビテロジェニンのβ’-コンポーネント(Onc k 5)と、タラコのビテロジェニン B にIgE 抗体の反応が認められ、タラコのビテロジェニン A にもIgE 抗体の反応が認められた例もあった、Onc k 5とビテロジェニン B は、イクラとタラコアレルギーの交差抗原である可能性がある(出典・参照:いくらとたらこアレルギーの交差抗原解析;いくらVitellogenin(Onc k 5)とたらこVitellogenin B の交差抗原性の特定)などの報告もあります。

一方、イクラアレルギー患者さん25人中、タラコと子持ちシシャモの摂取歴がある者はそれぞれ16人と18人で、そのうちアレルギー症状を呈した者はタラコで4人(25%)、子持ちシシャモで2人(11%)と、高いわけではない結果も見られており(出典・参照:イクラアレルギー患者の他魚卵(タラコと子持ちシシャモ)摂取状況に関する後方視的検討)おり、またタラコ特異的IgE抗体価/イクラ特異的IgE抗体価比が低い場合は、タラコを摂取できる可能性が高いとの示唆も見られています(出典・参照:Increased ratio of pollock roe-specific IgE to salmon roe-specific IgE levels is associated with a positive reaction to cooked pollock roe oral food challenge)。

今後も他の魚卵を含めアレルゲンの特徴など情報をアップデートしていきたいと思います。

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