Author クミタスさん
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2022.01.31
ニシンはにしんそば、昆布巻きなどでの摂食機会があり、国内外でニシンを加工調理した缶詰品が流通しており、またさつま揚げの原料魚の1つとして使用されている場合があります。
現在までに報告されているニシンの主要アレルゲンにおいては以下が挙げられています(一例)。
・Clu h 1 パルブアルブミン
パルブアルブミンは多くの魚種に存在し、魚類間でのアミノ酸配列の相同性は50~80%で、交差抗原性が高く、血液検査(特異的IgE抗体価)で陽性となりやすい傾向があります。
2種以上の魚にアレルギー症状を経験している場合もありますが、必ずしも魚肉の色が似た魚において抗原性が類似しているというわけではなく、症状の重症度とアレルギー反応を誘発する魚種の数との間に相関関係があると言えるわけではなく、また特異的IgE抗体価の高さと誘発症状有無は必ずしも関連しないことなどもあり、魚類を一括りにして除去するのではなく個別に食物経口負荷試験などで症状出現有無を確認するのが望ましいところです。
ニシンによるアレルギーとしては、職業上、水産加工工場内でニシン抗原を含むエアロゾルを吸入し、感作、症状出現する方や、水族館勤務で給餌などでニシンと接触する機会が多い方での海外での報告例なども見られています。
またニシンを摂食後に症状出現した場合、以下の可能性もあります。
・ヒスタミン食中毒
ヒスタミンが高濃度に蓄積されたニシンを摂食し顔面紅潮、発疹(じんましん)、かゆみ、頭痛などが出現
アレルギー様症状を起こす生理活性物質について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2256
・寄生するアニサキスによる食中毒やアレルギー
ニシンの卵巣を塩蔵または乾燥させたものは数の子と称されますが、魚卵アレルギーについてもアップデートしていきたいと思います。
職業上でのアレルギー発症~繰り返しの蒸気吸入
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4105
魚、貝、甲殻類と接触し皮膚症状などが出現する場合
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3374
出典・参照:食物アレルギー診療ガイドライン2021
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