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アオバアリガタハネカクシによる皮膚炎

2022.04.09

投稿者
クミタス

アオバアリガタハネカクシは、体長6~7mmと小さく、頭部と後胸は黒色、前胸と中胸はオレンジ色の虫で、田や河原、池、沼など、湿った場所の地面に生息しています。アオバアリガタハネカクシは光に集まり、照明、街灯やヘッドライトなどに向かって飛来する性質があります。アオバアリガタハネカクシに当たり手ではらったりすると、アオバアリガタハネカクシの体液が付着することがありますが、この体液が付着した皮膚で皮膚炎が生じることがあります。原因物質としては体液中物質の1つであるペデリンが挙げられ、成虫以外にも卵、幼虫、蛹においても含まれています。
体液が付着してから数時間~1日程で発赤や水疱、線状な皮疹が現れることがあり、線状皮膚炎と呼ばれます。皮膚炎においては主にステロイド外用剤が使用されています。また目に入ると結膜炎や角膜炎を起こすことがありますので、体液が付いた指で目をこすらないように気を付けたいところです。
他にも光に誘引されて飛来する虫の中で、カミキリモドキ類(アオカミキリモドキ、ツマグロカミキリモドキ、キクビカミキリモドキ、 ズグロカミキリモドキ、ハイイロカミキリモドキ、マダラカミキリモドキ、スジカミキリモドキ、フタイロカミキリモドキなど)においても体液に触れると、体液中物質の1つで血管刺激作用のあるカンタリジンが原因とみられる皮膚炎を生じ、また地面を歩いて生活するヒメツチハンミョウの体液にもカンタリジンが含まれ、皮膚炎を生じることがあります。
アオバアリガタハネカクシは、3~10月ごろに飛来しているところが見られますが、春、夏は上記のカミキリモドキ類、ヒメツチハンミョウも活発になる時期でもありますので、ご留意ください。

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