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2022.05.17
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:ピロリ菌)は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍を引き起こす原因の1つと考えられており、ヘリコバクター・ピロリ(HP)除菌をおこなう方もいらっしゃると思いますが、療法中もしくは療法後に薬疹を生じることがあります。
ヘリコバクター・ピロリ(HP)除菌療法では、複数の薬剤を用いて行い、以下などの薬剤が使用されます。
・アモキシシリン(ペニシリン系抗菌薬)
・クラリスロマイシン(マクロライド系抗菌薬)もしくはメトロニダゾール(抗原虫剤)・プロトンポンプ阻害薬(PPI)
ラベプラゾール、ボノプラザンなど
抗菌薬は薬剤の中でも、多形紅斑型薬疹、紅班丘疹型薬疹などの薬疹、アナフィラキシー症状の出現頻度が比較的高いことからも、今までにもヘリコバクター・ピロリ(HP)除菌を機とした症状出現報告は見られています。
・24歳女性。ヘリコバクター・ピロリ除菌療法として内服4時間後より両大腿にそう痒を伴う紅斑が出現し,その後全身に広がったため来院。初診時、顔面を除くほぼ全身にびまん性の紅斑を認め、プレドニゾロン20mg/日の内服加療を開始し10日間で略治。原因検索のために施行したパッチテストでは、アモキシシリン(ペニシリン系抗菌薬)で陽性であった。
抗菌薬だけでなくプロトンポンプ阻害薬(PPI)が原因となる場合もあります。
皮疹は生じたものの、原因薬特定のために施行した内服負荷テストでは皮疹の誘発がなく、最終的に禁忌となる薬剤はなし、と診断された例も見られています。
一方、ヘリコバクター・ピロリ(HP)感染者では、好酸球性食道炎発症者が少なく、ヘリコバクター・ピロリ(HP)感染は、好酸球性食道炎(EoE)の発症リスク低下と関連している可能性も示唆されています。アレルギーの観点でのヘリコバクター・ピロリ(HP)感染については、また別途アップデートしていきたいと思います。
出典・参照:ランサップ®に含まれるアモキシシリンによる紅皮症型薬疹の1例
H.pylori除菌薬による薬疹
薬剤によるアレルギー、薬疹とは?
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