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消化酵素薬による反応可能性

2022.06.27

投稿者
クミタス

酵素にはタンパク質分解酵素、セルロース分解酵素、アミラーゼ分解酵素、脂質分解酵素などがあり、酵素自体はアレルゲンとなり得る物質でもあります。
麹、麹菌、みそにアレルギー症状が出現することがありますが、
麹菌による反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3981
消化酵素を含む薬剤の内服後に症状出現した例を掲載します。

60歳台の女性。パンシロン® 01プラスを内服数分後に咽頭閉塞感を自覚。成分プリックテストでビオジアスターゼ(麹菌のアスペルギルス オリゼーを培養して産生されるアミラーゼなどを含有する総合消化酵素薬)が強陽性であった。その後、生の塩麹、米味噌を味見で舐め、耳の奥の瘙痒が出現した。塩麹、米味噌、麦味噌(すべてアスペルギルス オリゼーを使用)は生でプリックテスト陽性、加熱すると陰性で、塩麹材料の種麹(アスペルギルス オリゼー胞子)、米麹も陽性であった。アレルギーコンポーネント検査ではアスペルギルス オリゼー由来の α-アミラーゼに対する特異的IgEがクラス3であった。麹菌から産生される α-アミラーゼによる即時型アレルギーと診断した。消化酵素薬に入っているアスペルギルス オリゼー由来のα-アミラーゼに感作し、麹食品にもアレルギーがおきたと考えられた(出典・参照:複合胃腸薬パンシロン® 01プラスの即時型アレルギーの診断後,日本麹菌から産生される消化酵素アレルギーが見つかった1例)。

薬剤粉塵は薬剤師の方において職業性喘息を引き起こす場合がありますが、ジアスターゼはその可能性のある物質の1つとも考えられています。消化酵素薬による即時型アレルギーの報告数は多くはありませんが、また他の報告なども掲載していきたいと思います。

酵素とアレルギー~職業性喘息
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1689

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