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食物依存性運動誘発アナフィラキシー〜ポンカンなどの柑橘類で

2022.11.15

投稿者
クミタス

ポンカンはミカン、ナツミカン、オレンジ、レモン、ライム、ユズ、スダチ、グレープフルーツ、シークヮーシャー、デコポン、ハッサク、キンカン、ブンタン、 美生柑、バンペイユ、ダイダイ、セミノール、ポメロ、山椒、カラタチ、カレーリーフと同じくミカン科に属しています。オレンジなどはイネ科のオオアワガエリ、カモガヤ花粉と交差反応性があると考えられています。
今回は、ポンカンによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの例を掲載します。

カバノキ科花粉の感作のある9歳男児。リンゴ、キウイで口腔症状の既往あり、学校給食で初めてポンカンを摂取しサッカーをした後に呼吸苦、膨疹が出現し、救急搬送された。来院時は全身に膨疹を認めたが、呼吸状態は改善していたため、抗ヒスタミン薬とステロイドを投与し、症状の再燃なく翌日に退院した。オレンジ特異的IgE抗体が陽性で、皮膚プリックテストでは温州みかんとオレンジは果実・果皮共に陽性、ポンカンは果実が陰性、果皮が陽性であった。食物経口負荷試験は温州みかん、オレンジ、ポンカンの全てで陰性であった。運動誘発試験は実施できなかったが、臨床的に食物依存性運動誘発アナフィラキシーと診断し、安静時のみ柑橘類の摂取が許可された(出典・参照:南部優志 西川有希 勝見兼伍 稲垣篤志 清水真理子 池田聡子 川口千春 八尾市立病院小児科 大和高田市立病院小児科 奈良県立医科大学小児科 ポンカンによる食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)の一例)。

他にもみかんゼリー、みかんジュース等を摂取後に軽度の運動や球技を行い皮膚症状(Grade2)と 呼吸器症状(Grade2)、美生柑等を摂取後に体育を行い皮膚症状(Grade1)と呼吸器症状(Grade2)が出現し、血液検査でオレンジ特異的IgE抗体は陰性、皮膚プリックテストはみかんの果肉、果皮ともに陽性、三ヶ日みかんを用いた運動負荷試験で皮膚症状(Grade1)および呼吸器症状(Grade2)が出現した、柑橘類による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの報告もあり、オレンジ特異的IgE抗体が陰性の場合においても,柑橘類による食物依存性運動誘発アナフィラキシーの可能性があることも示唆されています。
柑橘類による反応については、交差反応性により複数の柑橘類の中でどこまでの摂取制限が必要になるか、関連する報告を交え掲載していきたいと思います。
他の柑橘類によるアレルギーについては、以下にも掲載しております。よろしければご参照ください。
ユズとアレルギー 柚子(ゆず)アレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4163
グレープフルーツによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4341
温州みかんとアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2473

出典・参照:田中裕子 松本恵 小嶋まゆき 山田啓迪 米山俊之 本庄明日香 稲毛英介 馬場洋介 工藤孝広 大塚宜一 清水俊明 順天堂大学医学部小児科 みかんと美生柑の摂取後に発症した食物依存性運動誘発アナフィラキシーの1例

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