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移植とアレルギー

2023.01.03

投稿者
クミタス

それまでに食物アレルギーの症状がなかった方で、移植後に症状出現する場合があり、肝移植後の新規食物アレルギー発症は2~3割に認められる、との示唆もなされています。

肝移植後の大豆アレルギー発症
・2歳女児。胆道閉鎖症に対して2か月時に葛西手術(肝臓側の断端を腸管で被うように吻合する肝門部腸吻合術)、1歳8か月時に生体肝移植が行われ、離乳食開始後から特定の食物を除去することなく摂取し、大豆製品も大豆そのものも含め日常的に摂取していた。2歳2か月時に食後の顔面発赤や口唇腫脹を複数回認めたが問診上原因抗原は同定できなかった。3か月後に再び食後明らかな顔面発赤、口唇腫脹があり、全てのエピソードに共通する大豆が抗原として疑われた。大豆特異的IgE抗体陽性であり、以降大豆製品を除去したところ症状誘発はなくなった(出典・参照:冠城祥子 森田久美子 明石真幸 慶應義塾大学病院小児科 東京都立小児総合医療センターアレルギー科 肝移植後新たに発症し抗原の特定に苦慮した大豆アレルギーの1例)
摂取可能であった食物が時間経過とともに症状を誘発するようになっており、安全で適切な除去を行うためには丁寧な経過観察と詳細な問診が必要との示唆もなされています。

移植後の発症例では複数のアレルゲンに反応する例や、アナフィラキシーを起こす例も見られ、また固形臓器以外に造血幹細胞移植後の発症や輸血後の発症ケースもあります。また他例も含め、追記していきたいと思います。

輸血によるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3236

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