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アミノカプロン酸による反応

2023.01.29

投稿者
クミタス

ε-アミノカプロン酸は内服薬で止血剤として使用されていた抗プラスミン剤で、現在でも抗炎症、保湿目的などの用途で点眼薬、洗眼剤、薬用化粧水、歯磨剤などの医薬品や医薬部外品の成分、添加物として使用されています。
 
ε―アミノカプロン酸よる接触皮膚炎の報告は複数あり、
・防腐剤フリーの点眼液であるヒアレインⓇミニ 0.1%点眼液に含まれる ε-アミノカプロン酸にて接触眼瞼皮膚炎を生じたスティーブンス・ジョンソン症候群症例
⇨成分パッチテストを施行し原因特定後は、ε-アミノカプロン酸含有製品の使用を中止し、以降は症状出現はせず症状改善した
・42歳女性。ドライアイのため数年にわたり、複数の点眼薬を使用しており、1か月前より両側の上下眼瞼に紅斑が出現した。点眼薬による接触皮膚炎を疑われ、成分パッチテストの結果、ε-アミノカプロン酸が陽性であり、ε-アミノカプロン酸によるアレルギー性接触皮膚炎と診断された。診断後ε-アミノカプロン酸が含有していない点眼薬に変更したところ症状は改善し、使用していた歯磨き粉もε-アミノカプロン酸含有のものであったため、合わせて使用を中止した
など、使用中止後に症状改善した例が見られています。

点眼薬、洗眼剤、薬用化粧水、歯磨剤など様々な製品から感作する可能性があり、含有する複数製品に症状出現する場合があります。複数製品に症状出現している場合は、成分情報をご確認いただき、受診のうえ原因物質の特定ができるのが良いかもしれません。

出典・参照:鎌田莉有 愛知梨沙 木村有太子 海老原伸行 順天堂大学医学部附属浦安病院 点眼液に含まれるε-アミノカプロン酸による接触眼瞼炎の一症例
小島豪 木村有太子 栗原麻菜 金子高英  鎌田莉有 海老原伸行 髙森建二 須賀康 順天堂大学医学部附属浦安病院 ε-アミノカプロン酸含有精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液によるアレルギー性接触皮膚炎の1例
山口麻里 山本彩乃 安富陽平 長尾洋 大野貴司 森英樹 市販点眼薬中のアミノカプロン酸によって生じたアレルギー性接触皮膚炎

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