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消化管アレルギーとIgE

2024.06.06

投稿者
クミタス

新生児・乳児消化管アレルギー(消化管アレルギー)は、非IgE依存性であり、即時型反応を呈した報告は少ない傾向ですが、IgEが何らかの関与をしている可能性・ケースも示唆されており、また即時型アレルギーで特異的IgE抗体値陽性、消化管症状のみの場合、また双方を合わせ持つケースの可能性もあります。
卵黄の消化管アレルギーと特異的IgE値
​https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4074

今回は新生児・乳児消化管アレルギー(消化管アレルギー)の経過中に即時型反応を呈したと考えられる、ミルクによる消化管アレルギーの例を掲載したいと思います。
・3か月男児。混合栄養中、日齢8に嘔吐や下痢、血便、体重減少が出現。牛乳アレルゲンによるリンパ球刺激試験は陽性であった。生後3か月時に確定診断のため食物経口負荷試験を行い、負荷1時間後に全身蕁麻疹 や不機嫌、くしゃみ、鼻汁が出現した。
・1歳2か月女児。混合栄養中、日齢6に嘔吐や下痢、哺乳不良、血便、血性・胆汁性胃残が出現し、国際ガイドラインに基づき消化管アレルギーと診断された。1歳2か月時に耐性獲得確認のため食物経口負荷試験を行い、負荷4時間後に蕁麻疹が出現した。
・1歳女児。混合栄養中、日齢7に頻回の胆汁性嘔吐と血便が出現した。1歳時の食物経口負荷試験は陰性だったが、帰宅後の初回ミルク摂取5分後から皮膚発赤や蕁麻疹が出現した。
上記はすべて消化管アレルギー発症時は牛乳特異的IgE 抗体が陰性であったが、即時型反応出現後に著明に牛乳特異的IgE 抗体が上昇しており、消化管アレルギー児は、即時型反応を呈する可能性があることが示唆されています。

消化管アレルギーに関しては以下もご参照ください。
食中毒原因菌感染後に消化管アレルギーを発症する可能性も
​https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3361
 
出典・参照:高橋駿 大谷祐介 荒川直哉 内田亨 山田諭 佐藤幸一郎 西田豊 八木久子 滝沢琢己 群馬大学大学院医学系研究科小児科学分野 国立病院機構高崎総 合医療センター 経過中に即時型反応が出現したミルクによる新生児・乳児消化管アレルギーの3例

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