
ブドウ摂食後のアレルギーについては以下にも掲載しておりますが
ブドウ/ぶどうによるアレルギー例から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4503
今回は、ブドウ誤嚥のケースについて掲載します。
2歳6か月、男児。体重:12.8kg、身長:90.0cm。
母親が同席している食卓に座り、ブドウ(直径3cm大で、皮をむいた種なしの巨峰、今回がはじめて)まるごと1個を、一人で摂取していた。特に感冒症状や啼泣している様子もなかったが、突然咳き込んだ後に、泡を吹いて意識消失した。そばにいた母親が誤嚥を疑って慌てて手で掻き出そうと試みたができず、救急要請した。その後、同児を抱いて家の外に出た際、通行人にハイムリッヒ法を施行され、ブドウは一塊で排出され、直後より児は啼泣を認めた。発症後約5分の奇跡的な経過であった。救急車にて前医に搬送された後よりチアノーゼが出現、SpO2 の低下、傾眠傾向となったため、当院へ転院となった。当院への搬入時は意識清明で、明らかな腹腔内臓器の損傷や頭蓋内疾患は否定的であった。胸部X 線単純写真で両肺野のすりガラス状の透過性低下を認めたが、酸素投与で呼吸状態は安定し、窒息後の経過観察を目的に入院となった。第4病日、酸素需要は消失し、胸部X 線単純写真で透過性低下の改善傾向を確認し、第6病日、異物誤嚥に対する予防指導を行い退院とした。本症例は、ブドウの誤嚥による上気道閉塞の解除後、陰圧性肺水腫を合併したと診断された。その後、後遺症もなく発達も正常に経過している。
1歳6か月、男児。体重:12kg、身長:83cm。母親は不在で、父親・祖母・兄といっしょに自宅にいた。
児はこれまでブドウを食べたことはなかったが、父親が「食べるか」と聞いたら頷いたため、 父親がブドウ(種なしの巨峰)の皮を剝き、丸ごと1個を児の目の前の皿に置いた。 父親の目の前で、児が自分でブドウを手に取って口に入れたところ、直後に顔面蒼白・口 唇チアノーゼをきたした。父親が背部を強打するも、顔色に変化がないため、救急車を要請した。午後7時46分、救急隊が現場に到着し、心肺停止と判断し、心肺蘇生法を開始。口腔内吸引でブドウの一部が吸引された。心肺蘇生法を継続しながら、当院救急外来に搬送された。午後8時8分に当院到着後、喉頭展開をしたところ、気道からブドウの一部が吸引できた。心電図モニター上asystole、両側瞳孔散大、対光反射は認められなかった。来院後の各種処置によって、午後8時27分に心拍再開し、当院ICU入院となった。ICUでは、心停止後症候群に対し、各種治療が行われたが、脳死とされうる状態になり、約3か月後に死亡した。
消防庁や救命救急センターからの報告では,食品による窒息死の7~10%が果実で占められており、窒息を引き起こす果実類として、ミニトマト、リンゴ片、ブドウが挙げられています。こどもの生活環境改善委員会のコメントによると、5歳未満の小児に対しては,ブドウやミニトマトなど、ある程度の硬さがあり、球形で、外表がスムースで口腔内を滑りやすい果実・野菜を食べる時は、1/4以下の大きさに切って与える必要がある、と示唆しています。お子さんの摂食時にはご留意いただければと思います。
誤嚥とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3932
出典・参照:Injury Alert(傷害速報)No.049 ブドウの誤嚥による窒息(事例1)、No.049 ブドウの誤嚥による窒息(事例2)
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