Author クミタスさん
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2015.07.03
成型肉といえば、サイコロステーキがあります。サイコロステーキは(原因食物と疑われた)ステーキチェーン店での腸管出血性大腸菌O-157の食中毒発生が記憶にある方もいらっしゃるかと思います。
成形の肉は、肉同士を重ね合わせて裁断するもので、脂のバランスに違和感がありますが、裁断の仕方でこういう肉もあるのかもしれないと思えなくもないものもあります。
焼肉チェーンでも多く使用されており、お店によっては牛肉の6割が成形肉である場合もあります。
そして最近では見た目で判別がわかりにくいレベルのものも含めた、霜降り肉のように見える牛脂注入肉も製造されています。
以下加工が施される肉は、加工の過程で、肉の表面に付着した食中毒等の原因微生物が肉の内部に拡大している可能性があるため、食中毒の発症リスクのためにも肉の内部まで75℃以上になるよう十分に加熱する必要があります。
テンダライズ処理:肉に刃を用いてその原形を保ったまま筋及び繊維を短く切断する処理。
タンブリング処理:肉に調味料に浸潤させる処理。
ポーションカット:肉、ひき肉を金属製容器にきつく詰め、凍結して形を整えた後、一定の厚みに切る処理。
タレかけ:肉を容器包装に入れた後、調味液を加える処理。
漬け込み:肉を調味液に浸漬する処理。
ミキシング:肉に調味料を加え、ミキサーで揉みほぐす処理など。
インジェクション処理:牛脂や調味液等を混合したピックル液を赤身肉に注入。
結着・圧着:肉を結着剤で貼り合わせたり端材を練り合わせる処理。
成形肉、牛脂注入肉の製造過程で以下の中の成分が使用され、肉に含まれるものがあります。
・植物性たん白(大豆たん白、小麦たん白等)
・動物性たん白(卵白、コラーゲン、乳たん白、牛脂、馬脂等)
・多糖類(デンプン、グアーガム等のガム質、カラギーナン、グルコマンナン等のゲル化剤)
・油脂(大豆油、綿実油、トウモロコシ油、ごま油等の植物性食用油脂、牛脂、豚脂、鶏脂、バター等の動物性食用油脂)もしくは油脂代原料(イヌリンクリーム)
・熱可逆性ゲル(カラギーナン、グルコマンナン、寒天等)
・たん白質接着酵素(トランスグルタミナーゼ製剤等)
他に水、水あめ、ビーフ・ポーク・チキン等のフレーバー、調味料(動物エキスを含む)、デンプン、色素、カゼインNa、乳糖、リン酸塩、リン酸塩やリン酸一ナトリウムなどの正リン酸塩や、ポリリン酸ナトリウムなどの重合リン酸塩、二酸化ケイ素、炭酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、食塩、焼成カルシウム、調味料(有機酸)、ゼラチン、コラーゲン、pH調整剤、酸化防止剤等。
実際に、奈良万葉若草の宿三笠で和牛ステーキとして提供していた豪州産牛肉の加工肉に、乳、大豆、小麦が使用されていたことが発覚した事例などがあります。
飲食店のメニューに適用できるのは景品表示法で、JAS法や食品衛生法では、飲食店のメニューは対象外となっています。
成形肉や牛脂注入肉を、メニューに「やわらかビーフ」、「霜降り肉」、「霜降りビーフステーキ」、「さし入りビーフステーキ」と記載して提供することは、景品表示法上問題となります。ただ排除命令や措置命令に従わない場合には刑罰の対象になりますが、景品表示法違反自体は、罰則が伴いませんので、すべての成形肉に成形肉とわかるような表示が成されているとは限りません。
成形肉はやわらかく仕上がります。嗜好としてやわらかい肉を求める方は多く、やわらかビーフと記載があると、おいしい肉として自ら成形肉を選択している場合もあります。
値段の高いものでも成形肉、牛脂注入肉である場合もありますので、成形過程を経た肉にすべて成形肉、インジェクションビーフ、牛脂注入肉と表示するようにしないと一見、加工肉と判断できないものを選び、乳、卵、小麦、大豆を含む肉を食べてしまう場合があります。
卸売時ふくめ、加工肉提供においては、アレルゲン表示も明確にできることが望まれます。
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