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夏の終わりから飛散が増えるブタクサ花粉とアレルギー

2015.09.01

投稿者
クミタス

ブタクサ花粉の飛散は、主に北海道を除く地域で7月末頃から徐々に始まり、東北から九州まで南下していき、関東など地域によっては12月頃まで続きます。
8月終わり頃から花粉症の症状を感じる方の中には、ブタクサ花粉症の方もいらっしゃるかと思います。


 

ブタクサ花粉のアレルゲン


ブタクサ花粉の主要アレルゲンは、Amb a 1になり、Amb a 10、Amb a 11、Amb a 12などもアレルゲンと考えられています。
スギ花粉の主要アレルゲンCry j 1と、ヒノキ花粉の主要アレルゲンCha o 1は、アミノ酸配列の一致率が高く、スギ花粉とヒノキ花粉間での交差反応性がありますが、それに対し、Amb a 1とCry j 1とのアミノ酸配列の一致率は45%程度で、ブタクサ花粉とスギ花粉との交差反応性は示さないとも考えられています。

ブタクサ花粉吸入による症状


ブタクサ花粉症はスギ、ヒノキ花粉症と同様に、鼻づまり、鼻水、くしゃみ、目のかゆみや充血、耳の奥のかゆみ、涙が出る、全身のむず痒さといった症状がありますが、喘息症状を起こしやすい面があります。
ブタクサの背丈は1m未満とそれほど高くはないため、花粉飛散は数10m~数kmの範囲内ではありますが、ブタクサ花粉の直径は20μm、スギ花粉は約30μm、イネ花粉は約20~40μmと、ブタクサ花粉は粒子が比較的小さく、吸入すると、咳や喘息など呼吸器症状を誘発しやすい面があります。

参考:春~秋まで飛散するイネ科植物の花粉と食物アレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/716

ブタクサ花粉と食物アレルギー


キク科のブタクサ花粉にアレルギー症状のある方で、摂取してアレルギー症状のある可能性のある食品として、
ウリ科(メロン、スイカ、カンタロープ、ズッキーニ、キュウリ)、バショウ科(バナナ)
などが挙げられます。
また、キク科ブタクサ属間での交差反応により、キク科ブタクサ属植物であるカモミール(ティー)、カミツレ花粉、ヨモギ、オオブタクサ間で交差反応を示すことがあります。

ブタクサ以外の秋の花粉症


ブタクサの原産地は北米であることからもアメリカではブタクサ花粉はメジャーなアレルゲンで、花粉産生植物にアレルギーのあるアメリカ人のうち、75%はブタクサにアレルギー症状があり、ブタクサにアレルギーのある方は、アメリカ人の10~30%を占めると示唆されています。
花粉飛散前に12週間の時間を要するブタクサ花粉の舌下治療は、FDAによって昨年承認されており、3年間で1/3の患者さんのアレルギー症状が治癒され、1/3には症状の大幅な緩和、残りの1/3の方は少し改善するだろうとの意見もあります。
花粉の舌下治療で花粉症の症状が改善した場合に、交差反応のある食物へのアレルギー症状への影響についてなど、今後もアップデートしていきたいと思います。

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